2021 Fiscal Year Research-status Report
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19K03425
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
田上 真 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (50380671)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 部分空間符号 / Delsarte理論 / Anticode限界式 / グラスマンスキーム |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度においては主に、2020年度で考察したネットワーク符号の代数的組合せ論的観点からの研究を行った。特に部分空間符号の次元と最小距離を固定した場合の符号数に関する上界について研究を行った。ネットワーク符号は主に部分空間符号から作成することができ、部分空間符号は定次元のものを考えた場合は、代数的組合せ論的にはグラスマンアソシエーションスキームの部分集合を考察することになる。それにDelsarte理論を適用した。今年度の主な成果は研究室の学生である小椋大雅君と共同で、Delsarteの線形計画限界式を計算し、種々のパラメータに関して、部分空間符号に対する具体的な上階の数値を求めた。我々はこの数値が図らずも、線形計画限界式の一般には最適解と限らない適解であるはずであるAnticode限界式と最適解であるはずの線形計画限界式が一致することを観察した。(実際にはこの現象はすでにBachoc-Vallentin (2012)によりすでに数値的に確認され、指摘されている。)Sphere Packing 限界式(線形計画問題の適解から得られる)が最適解になる完全符号の例で考えると、適解と最適解が一致するとき、部分空間符号の距離分布についての情報が得られるので、上記の現象を定理として示すことができれば、非常に(限界式の意味で)優れた部分空間符号の距離分布についての情報が得られることになるので、今後このことについての調査を進めていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍ということもあり、講義における教材作成や大学運営の委員の仕事などが煩雑になり、出張等もほぼできず、活動が制限されていたため。
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Strategy for Future Research Activity |
グラスマンスキームにおける部分空間符号へのAnticode限界式を与えるAnticodeの具体的組合せ構造はErdos-Ko-Radoの定理として、すでにFrankl-Wilson(1986)に得られているので、線形計画限界式の適解は具体的に計算できている。この適解により与えられる値が線形限界式の最適解を与えているかどうかのチェックを行うことで、Anticode限界式と線形計画限界式がグラスマンスキーム上では一致することの証明を行うことが可能である考えられる。このことをまずは実行したい。また次の研究として、線形計画限界式を達成する符号(ある意味での完全符号)の構成に応用したい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で、出張が全くできなかったため。
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