2023 Fiscal Year Annual Research Report
ゲージ理論からの無限次元力学系とホモトピー論による低次元多様体の不変量
Project/Area Number |
19K03493
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
笹平 裕史 九州大学, 数理学研究院, 教授 (30466825)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Seiberg-Witten Floer理論 / 低次元トポロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、Seiberg-Witten Floer安定ホモトピー型の定義、定式化などの基礎的事項を中心に研究を行った。Seiberg-Witten Floer安定ホモトピー型とは、3次元多様体の不変量である。この不変量のいくつかの強力なトポロジーへの応用が知られていた。一方、定義や計算が難しく、本研究課題が行われる前までは、Seiberg-Witten Floer安定ホモトピー型の研究は限定的な範囲に留まっていた。より広いクラスの3次元多様体に定義を拡張したり、計算手法を確立し、より多くの3次元多様体に計算できるようになれば、多くの興味深い応用が期待できる。しかし、Seiberg-Witten Floer安定ホモトピー型の定義を第一Betti数が正の場合に拡張するには、解析的、ホモトピー論的な困難があることが知られていた。 本研究課題では、Stoffregenとの共同研究によって、第一Betti数が正の場合に、ある位相的条件の下、定義を拡張することができた。これは本研究課題の主目標を概ね達成できたといってよい。 最終年度では、Dai, Stoffregenと、Seiberg-Witten Floer安定ホモトピー群の計算や応用を研究した。また、今野氏と族の3次元多様体に対するSeiberg-Witten Floer安定ホモトピー型のトポロジーへの応用を研究を行った。今後トポロジーへのさらなる応用が見込まれる。
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