2022 Fiscal Year Annual Research Report
The Stokes phenomenon on linear or nonlinear, differential and differential equations
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19K03566
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
大山 陽介 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (10221839)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | q-パンルヴェ方程式 / セグレ曲面 / q-ストークス構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はq-パンルヴェ方程式の大域構造について研究した。q-パンルヴェVI型方程式の接続問題は本研究の開始直後に大きく進んではいたが、モノドロミ多様体の記述は不十分であった。そのような中で,2022年初めにN. JoshiとP. Roffelsenの研究で、q-パンルヴェVI型方程式のモノドロミ多様体が4次曲面であることが示された。我々の結果が2つの2次超曲面の共通部分だったことと合わせて、q-パンルヴェVI型方程式のモノドロミ多様体がセグレ曲面であることに気がついた。これは古典的なパンルヴェVI型方程式のモノドロミ多様体がフリッケ-クラインの3次曲面であったことのq-類似であり、完全に一致しないところを含めて面白い構造になっている。 2022年10月にストラスブールで申請者の還暦を記念する研究会"Painleve Equations: From Classical to Modern Analysis" を開いていただき、q-パンルヴェVI型方程式のモノドロミ多様体に関する結果を,パンルヴェ方程式の周辺の話題とともに報告した。 関連した一つの結果としては、q--パンルヴェV型方程式の大域構造の結果があるが、まだ完全にモノドロミ多様体を決定するところまで至っていない。退化している場合は、q-ストークス構造の記述が十分ではないためだろうと考えている。もう一つの結果としては、古典的なパンルヴェVI型方程式でのフリッケ-クラインの3次曲面が持つ27本の直線の交点の特別な場合が金子和雄の4つの有理型解になるが,そのq-類似をセグレ曲面でも示せたことである。 こうしたことから、q-パンルヴェ方程式の大域構造の研究が近い将来に大きく変わるような予感は持っているが、残念ながらまだ形にはなっていない。次の研究につながる大きな芽を見出せたと思っている。
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Research Products
(4 results)