2019 Fiscal Year Research-status Report
Quantumness and multipartite entanglement in primordial fluctuation
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19K03866
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
南部 保貞 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (40212112)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 多体間エンタングルメント / 原始ゆらぎの量子性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,宇宙初期ゆらぎの性質を明らかにすることを目的として量子場の多体間エンタングルメントに着目して量子相関の構造ならびに古典性の出現についての解析を行う.本年度はインフレーション宇宙起源の原始重力波の量子性の観測可能性についての考察を行った.量子起源の重力波が宇宙背景放射の非等方性に与える影響を,量子相関の指標の一つであるディスコードを用いて解析した.初期条件として量子相関を持つBunchi-Davies真空状態と量子相関を持たない古典状態の2つの状態を用意し,それらが宇宙背景放射非等方性に与える差異を評価した.量子相関を持つ初期状態は,非等方性のパワースペクトルに対して振動的な振る舞いを導くことを見出し,宇宙背景放射の非等方性の観測より原始重力波の量子性を判定することが可能であることが明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は多体相関を扱う道具立てを色々模索した.結論として着目しているモードに対する「パートナー」の概念の導入を行うことで,解析が自然に実行できることに気がつき,これからその具体的な評価の実行に取り掛かる.
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Strategy for Future Research Activity |
場の着目モードに対する「パートナー」モードの評価を行い,その下で多体間相関の構造を調べる.
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Causes of Carryover |
前倒し請求による余り分であり,今年度当初の研究計画に従って使用する予定である.
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Research Products
(4 results)