2022 Fiscal Year Annual Research Report
Quantumness and multipartite entanglement in primordial fluctuation
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19K03866
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
南部 保貞 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (40212112)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 量子もつれ / インフレーション / モノガミー / 純粋化 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度ではほぼ当初の目標を達成することができた.2体系間の量子もつれの消失をモノガミーの観点より解析するために次の手順で解析を進めた: (1)2体系を純粋4体系に埋め込むことで,4体系の4つのモード間の量子相関の共有問題の形に置き直す.そのために対象となる2体系(混合状態)に対する純粋化パートナーモードを構成した.パートナーモードを体系的に構成する「パートナー公式」を適用することで具体的な4体系の状態の形を得ることができた. (2)具体的に得られたこの4体系に対して,知られているモノガミー関係を適用した.Adessoらによって成立が証明されているモノガミー関係は,部分系である2体系に対する分離可能性条件を与えないので,Camaletによって提案されたモノガミー関係をガウス状態の場合に拡張することで,2体系間の量子もつれの消失をモノガミーの観点より説明することに成功した.その結果は現在,投稿論文として執筆中である.
その他関連研究として,量子もつれの消失現象を量子ホール系を用いて実験するための理論評価を行なった.膨張するエッジ領域を持つ系に対して,(1+1)次元の量子場に対する局所演算子を導入し,2つの局所演算子間の量子もつれがどのように時間発展するかを具体的に評価し,Hawking輻射による量子もつれ消失が実際に起こることを確認した.
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Research Products
(8 results)