2020 Fiscal Year Research-status Report
First complete dinosaur skeleton from Japan: implications to the diversity of Asian dinosaurs prior to K/Pg boundary
Project/Area Number |
19K04052
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小林 快次 北海道大学, 総合博物館, 教授 (70400033)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 恐竜 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の研究成果により、ハドロサウルス科におけるカムイサウルスの系統的位置が解明された。本年度は、昨年度得られた系統解析をもとに、形質の変化に注目し、ハドロサウルス科内での進化過程を研究した。これまでは、ハドロサウルス科の進化には、食に関係する顎や歯の進化が鍵を握っていると考えられていたが、今年度の研究により、体骨格の進化も重要であることが考えられた。これは、食性だけでなく、体の動きもハドロサウルス科の進化において重要である可能性が出てきた。 また、カムイサウルスの脛骨の薄片により、最低でも12歳であることが考えられた。今年度は、脛骨だけでなく、他の骨の薄片も製作し、体の部位で成長の過程がどのように異なるか解析を行なっている。現在のところ、他のハドロサウルス科(マイアサウラ)と同様に、部位によって成長の仕方が違うことが確認できている。 さらに、カムイサウルスの特徴として、前肢が後肢に比べ華奢であるということがあげられているが、これは、カムイサウルスが二足歩行である可能性を示唆する。現在、カムイサウルスの歩行について研究を継続中である。 最後に、日本にはカムイサウルスと同じ時代の地層が広がっている。白亜紀末の地層から発見されているハドロサウルス科(特に兵庫県淡路島の標本を中心)を研究し、白亜紀末期の日本での恐竜の多様性を探っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本来は、今年度の計画は「北米アラスカ州から発見されているエドモントサウルス属の化石や足跡化石の研究を進める」とあったのだが、新型コロナ感染拡大のため、海外出張ができなかった。その代わりに、海外の共同研究者と作業を進めている。本来の計画が実行できなかったため、日本国内の化石に目を向け、研究を行なった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、本年度の研究の継続(組織学・形態機能学・新規の日本の恐竜化石研究)を行う。また、昨年度末に計画した、「ベーリング陸橋に当たるアラスカ州の恐竜化石(骨化石と足跡化石)と、アジア大陸の恐竜化石(特にモンゴルと中国)の化石との比較研究」を進め、カムイサウルスの仲間やそれを取り巻いていた他の恐竜たちの移動や進化を追求していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナのため計画していた海外出張ができなかったため。来年度は、海外出張に当てる予定。
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Research Products
(10 results)