2021 Fiscal Year Research-status Report
自己き裂治癒能力を持つ高耐食性セラミックスと金属の耐環境性に優れた異種固相接合法
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19K04080
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Research Institution | Kushiro National College of Technology |
Principal Investigator |
高橋 剛 釧路工業高等専門学校, 創造工学科, 教授 (50435393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NGUYEN THANHSON 釧路工業高等専門学校, 創造工学科, 講師 (00797235)
木村 真晃 兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (90285338)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Friction welding / Alumina / Aluminum alloy / FE-SEM / Self healing / TiC |
Outline of Annual Research Achievements |
純度99.8%の市販アルミナAl2O3とアルミ合金AC8Aの端面摩擦圧接に対して,接合条件が接合界面付近の微視組織に及ぼす影響を明らかにした.前年度に引き続き,今年度はFE-SEMを用いた化学組成線分析により,軸方向に沿う特定元素の分布の変化に着目した.その結果,原子拡散により相手側材料に移動していることも確認できた.更に,接合強度の高い条件では,アルミ合金が摩擦熱による固相流動化し,アルミナ側に侵入した形跡が見られ,それがアンカー効果のような働きをすることにより向上した可能性があることが分かった.更に,圧接によって生じる残留応力は接合強度にも影響を与えると考えられるため,X線回折装置によって軸方向及び円周方向の残留応力を測定した.応力バラツキの大きい結果となったが,典型的な傾向は幾つか確認することができたので,今後はラマン分光法などの別方法で測定予定である. 一方,摩擦接合時に界面付近のアルミナに生じるとされる微小亀裂対策として計画に挙げていた自己治癒機能の検証については進展があった.アルミナに治癒材としての酸化チタン(TiC)を含ませた粒材を冷間等方圧加圧(CIP)法並びにホットプレス(HP)法により加圧成形した試料に対して,予備亀裂導入し,焼鈍温度を変化させたところ,SiCを治癒材に用いる場合よりも低い温度で亀裂を自己修復できる焼鈍条件があることが分かった.この条件は,接合強度の高い条件同様,圧接時間の長い条件であるため,今後に展開に期待できる結果となった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナ感染拡大対策により,代表者機関と共同研究機関が異なる時期にそれぞれ1か月間の学校閉鎖に陥った.併せて,焼結試験片を成形する機械が故障したが,部品調達先の国も新型コロナにより停滞するなど,いろいろな点で研究活動に制約を受けた.
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Strategy for Future Research Activity |
代表者機関,共同研究機関ともに通常環境に戻りつつあるため,当初計画に示した目標に向かって加速する予定である.但し,延長した今年度分については共同研究者のエフォート割り当てが少なくなるので,外部委託等の手段変更等によりカバーしていきたい.今年11月に開催される国際会議にて研究成果発表すべくエントリーした次第である.
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Causes of Carryover |
計画が新型コロナ等により停滞したため,遅延した.延期年度の令和4年度は,必要物品の購入と成果発表の旅費等に支出する予定である.
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Research Products
(4 results)