2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K04579
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
比江島 慎二 岡山大学, 環境生命科学研究科, 准教授 (50284526)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 洋上風力発電 / 高空風力発電 / 再生可能エネルギー / 海洋エネルギー / ハイドロヴィーナス / 水流タービン / パラフォイルカイト / 海洋状況把握 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) Hydro-VENUS羽根の揚力・抗力特性の解明 半楕円形の断面を持つHydro-VENUS羽根について,風洞実験および数値流体解析により,揚力・抗力特性を求めた.数値流体解析で得られた揚力・抗力は風洞実験で得られた値に比べてやや低くなる傾向があるものの,迎角に対する変化の傾向などは風洞実験結果と同じ結果が得られた.比較のため,NACA4415とNACA0015の翼型断面を持つ羽根についても揚力・抗力特性を求めたところ,風洞実験と数値流体解析のいずれにおいても,Hydro-VENUS翼は翼型の羽根に比べて揚力と抗力がいずれも高くなる傾向があることが明らかとなった.
(2) Hydro-VENUSタービンのエネルギー取得性能の評価 風洞実験および数値流体解析で求めた揚力・抗力特性を元に翼素運動量解析を適用することによって,Hydro-VENUS羽根をタービンとして用いたときのエネルギー取得性能を求めた.同時に,水槽実験により,Hydro-VENUSタービンを実際に回転させてエネルギー取得性能を求めた.その結果,翼素運動量理論で求めた性能評価結果は水槽実験に近いことが明らかとなり,Hydro-VENUSタービンの性能評価への翼素運動量理論の有効性が示された.さらに,運動量理論解析の結果から,Hydro-VENUSタービンが正逆両方向に回転可能であること,静止状態からの起動性能が高いことなどを示すことができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の研究計画としていた「Hydro-VENUS羽根の揚力・抗力特性の解明」と「Hydro-VENUSタービンのエネルギー取得性能の評価」はいずれもほぼ計画通りに遂行することができた.Hydro-VENUSタービンのエネルギー取得性能の評価において,翼素運動量理論の有効性が得られない場合,ギャロッピング理論の適用も予定していたが,解析の結果,翼素運動量理論の有効性が確認できたため,ギャロッピング理論の検討は行っていない.
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Strategy for Future Research Activity |
Hydro-VENUSタービンのさらなる性能向上をめざして,羽根の先端形状の改良などを試みる予定である.具体的には,エネルギー取得性能の低下の要因となる,羽根先端からの翼端渦の発生を抑制するため,様々な形状のウィングレットなどを導入する.3Dプリンターで作成した改良型の羽根を用いて水槽実験を行い,エネルギー取得性能の向上効果を検証する.また,帆走システムの帆(カイト)には一般に翼型が使用されるが,揚力・抗力が翼型よりも大きい半楕円形状断面などのHydro-VENUS羽根の方が,曳航力を発生するには有効である可能性がある.いくつかの形状のHydro-VENUS羽根を用いたカイト模型を作成し,風洞実験により揚力・抗力特性などを計測して翼型断面のカイトと比較する.
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Research Products
(3 results)