2020 Fiscal Year Research-status Report
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19K04818
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
永井 康雄 山形大学, 工学部, 教授 (30207972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池上 重康 北海道大学, 工学研究院, 助教 (30232169)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 近代日本 / 和風建築 / 雛形書 / 舶載パターンブック / 日本博 / 工匠 / 近代化 / 大工技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)近世雛形書の分析;近世木割書に記される三重塔の木割を全て解読し、それらに見られる設計手法を比較検討し『木割書にみられる三重塔の設計手法に関する研究』(日本建築学会東北支部研究報告集第84号掲載予定)に纏めた。また三重塔の重要な構成要素の一つである相輪の設計手法について『初期木割書にみられる三重塔の相輪の設計手法について』(2020年度大会日本建築学会学術講演梗概集掲載予定)に纏めた。 2)舶載パターンブックの分析;引き続き資料収集とそれらの分析を行った。 3)近代雛形書の分析;明治中期から大正にかけて、東京高等工業学校とその前身学校で日本家屋構造について教授した齋藤兵次郎の担当科目と執筆活動について『東京高等工業学校建築科助教授齋藤兵次郎とその編著書』(2020年度大会日本建築学会学術講演梗概集掲載予定)に纏めた。 4)遺構調査;陣屋の正門を移築したとされる寺院の山門の実測調査を行い、建築年代と建物の特徴について『護国山禅会寺の山門に関する一考察』(日本建築学会東北支部研究報告集第84号掲載予定)に纏めた。また近代数寄屋建築の装飾と雛形書との関係について『かみのやま温泉村尾旅館に見られる室内装飾の意匠について』(同前)に纏めた。 また、2020年12月10日から2021年2月21日にかけて東京国立博物館表慶館・国立科学博物館・国立近現代建築資料館の3館で日本博「日本のたてもの 自然素材を活かす伝統の技と知恵」が開催された。特に国立近現代建築資料館の「工匠と近代化 大工技術の継承と展開」では池上と永井は企画段階から参画し、展示物の選定・解説を通して本研究の主題ともいえる成果を公開した。その成果は『[図録]工匠と近代化 大工技術の継承と展開』(文化庁、2020.12.10)と『[増訂版]日本のたてもの 自然素材を活かす伝統の技と知恵』(青幻社、2021.2.5)として出版された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
概要で述べたように、学会に5編の研究を発表し、日本博において研究成果を公開すると共に図録を2編出版した。
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Strategy for Future Research Activity |
感染症の予防に十分注意を払い、昨年度実施できなかった近世及び近代の雛形書の収集・調査分析を進める。具体的には、鈴木家史料(千葉県、立川流)、岩城家史料(富山県)の整理と関連遺構の実地調査と分析を行う。また、近代の高等教育機関で作成・使用された教科書類と近世の雛形書や舶載パターンブックとの関連性について分析する。
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Research Products
(6 results)