2021 Fiscal Year Annual Research Report
セラミックス系中間層微粒子の易動性がもたらす水素高透過性パラジウム膜の耐久性向上
Project/Area Number |
19K05124
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
加藤 雅裕 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (80274257)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
霜田 直宏 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 助教 (50712238)
杉山 茂 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (70175404)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | パラジウム膜 / セラミックス系微粒子 / 水素選択性向上 / 耐久性向上 |
Outline of Annual Research Achievements |
パラジウム(Pd)膜は水素を高選択的に透過することができるが,ハンドリングで優位な多孔質ステンレススチール(SUS)支持体上に,高選択性,高透過性,高耐久性のPd膜を成膜するには,以下の4点が求められる。1.Pd緻密膜の薄膜化,2.水素の高速拡散,3.SUS支持体を構成する金属のPd膜中への拡散の阻止,4.Pd膜の耐久性向上 昨年度は平均細孔径0.5マイクロメートルの支持体の,表面の細孔径分布とのマッチングからZSM-5ゼオライトを採用し,9マイクロメートルのPd膜を成膜し,150程度のヘリウムに対する水素選択性と50時間の安定した耐久性が得られた。しかし,実反応での応用を考える時,さらなる選択率の向上が必要と判断した。そこで,本年度は,平均細孔径0.2マイクロメートルの支持体に注目し,さらなるPd膜の緻密化を図った。凝集したUSYゼオライトの粒子径分布が支持体表面の細孔径分布と一致することから,USYゼオライトを中間層微粒子として採用した。結果,膜厚10マイクロメートルのPd膜のヘリウムに対する水素選択率は1100を示し,50時間の耐久試験後も700を超える選択率を示した。よって,支持体表面の細孔径分布と導入するゼオライト系微粒子の粒度分布のマッチンクを考慮して,中間層を選択し導入することで,実用化に適した高い水素選択率と高い耐久性を示すことを見出した。 以上のことから,研究期間全体で,チタニア微粒子やゼオライト系微粒子を中間層として検討し,特に微粒子の粒度分布と支持体細孔の細孔径分布とのマッチングが成功すると,高い水素選択性と耐久性が達成されることを見出した。
|
Research Products
(9 results)