2021 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of mechanism for dietary emulsifying agents caused intestinal inflammatory
Project/Area Number |
19K05875
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
栗原 千枝 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 内科学, 助教 (90532515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
穂苅 量太 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 内科学, 教授 (90255464)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 乳化剤 / 腸内細菌 / 炎症性腸疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、乳化剤がどのような機序で腸内環境バランスを破壊し腸炎を誘発するのかを解明し、炎症性腸疾患の予防や治療に結びつけることが目的である。昨年度までに、乳化剤polysorbate 80 (以下P80)を投与したマウスの小腸炎増悪には腸内細菌叢の変化が関与しており、特に多様性低下によって腸内細菌叢の撹乱が起き、腸炎が起きやすい環境に変化している可能性を示した。2021年度は、自然リンパ球に対する乳化剤の影響、および高脂肪食摂取時における乳化剤の影響について解析をおこなった。 (1) 乳化剤による自然リンパ球(ILC)の変化: ILCは主要サイトカイン産生源として腸管免疫において重要な役割を果たしている。ILCに対する乳化剤の影響を調べるために、小腸粘膜および腸間膜リンパ節のILCをフローサートメトリーにて解析した。P80投与により小腸粘膜および腸間膜リンパ節のILCが増加した。また腸管粘膜から流出するリンパ液中のILCは、P80投与群で2型および3型ILCが増加しており、ILCの組成変化が腸管免疫異常の一因となっている可能性が示唆された。 (2) 高脂肪食摂取マウスにおける乳化剤の影響:乳化剤は脂肪含有食の添加物として用いられるため、腸炎の増悪に脂肪の影響を受ける可能性がある。高脂肪食摂取マウスに対して乳化剤の影響を調べた。コントロール食+P80投与群で体重減少および腸管の短縮が確認された。一方、高脂肪食+P80投与群では体重減少および腸管の短縮が見られなかったことから、高脂肪食は乳化剤による腸炎増悪を軽減することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
前年度に計画していた高脂肪食摂取時における乳化剤の影響について解析した。また、腸管免疫で重要な役割を担うILCの組成が乳化剤により変化することを明らかにした。一方、当初の計画では本年度に炎症性腸疾患症例の検討を予定していたが、新型コロナウイルス感染症拡大により内視鏡検査の延期が多く検体の収集が困難であったため実施できなかった。そのため、当初の計画よりも遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで乳化剤としてP80を用いて解析をおこない、小腸炎モデルマウスにおいて、P80投与による腸内細菌叢の多様性低下が腸炎を起こしやすい環境形成の一因であることを示す結果を得た。来年度は、P80以外の乳化剤についても消化管免疫および腸炎におよぼす影響について解析を進める。また、臨床検体を用いた解析も進める予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大による渡航制限等により、学会や研究会が中止あるいはオンライン開催になったこと、また当初の計画どおりに実験が進まず次年度に繰り越されたことの理由から計画どおりの使用ができなかった。当該支出分については次年度に計上予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] THERAPEUTIC EFFICACY OF GRANULOCYTE AND MONOCYTE ADSORPTIVE APHERESIS IS CORRELATED WITH COLONIC MUCOSAL EXPRESSION OF TIGHT JUNCTION MOLECULES IN ULCERATIVE COLITIS2021
Author(s)
Chie Kurihara, Toshihide Ohmori, Kenichi Inaba, Nao Sugihara, Yoshinori Hanawa, Kazuki Horiuch, Akinori Wada, Shin Nishii, Akinori Mizoguchi, Suguru Ito, Rina Tanemoto, Akira Tomioka, Yoshikiyo Okada, Akita Yoshihiro, Narimatsu Kazuyuk, Higashiyama Masaaki, Shunsuke Komoto, Kengo Tomita, Ryota Hokar
Organizer
Digestive Disease Week 2021
Int'l Joint Research