2019 Fiscal Year Research-status Report
ダイナミックな精子形成能を持つ生殖細胞特異的結合因子KIAA1210の機能解析
Project/Area Number |
19K06440
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岩森 督子 九州大学, 医学研究院, 助教 (10711509)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加納 聖 山口大学, 共同獣医学部, 教授 (40312516)
岩森 巨樹 九州大学, 農学研究院, 准教授 (70647362)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 生殖細胞間架橋 / KIAA1210 / ノックアウトマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
精巣では生殖細胞間架橋Intercellular bridge(ICB)が生殖細胞を結合しており、欠損すると雄性不妊になる。一連の生殖細胞同調化のため、ICBは細胞間情報伝達に機能すると予想されるが未明である。精巣にはICBの他にセルトリ細胞間密着結合Blood-testis barrier(BTB)、セルトリ細胞間およびセルトリ細胞―伸長期精細胞間の接着装置 Ectoplasmic specialization(ES)などの細胞間結合があり、いずれも正常な精子形成に必要不可欠である。我々が同定したICBとEPSの両方に関連する新規遺伝子KIAA1210のノックアウトマウスと、関連遺伝子に蛍光タンパク質を融合発現するトランスジェニックマウスを用いて、ICBとEPSの関連性を構造的および機能的に解明することを目的とする。その成果は生殖生物学において、重要な知見になり、さらに、家畜・養殖における良質生産、野生動物・絶滅危惧種保存など幅広い分野に貢献が期待できる。 平成31年度は、CRISPR/Cas9システムを用いて作製したKIAA1210ノックアウト(KO)マウスをの解析を行なった。KIAA1210-KOと同腹仔野生型(WT)雄マウスを各7匹ずつWT雌マウスと半年間同居させ、妊孕性を解析した。また、KIAA1210-KOと同腹仔WT精巣および精巣上体を組織学的に解析した。KIAA1210関連因子に蛍光タンパク質を融合発現するトランスジェニック(cTG)マウスを作製し、これら因子の関連性の可視化解析を目的に、KIAA1210とその関連因子に蛍光タンパク質を融合発現するシングルカラートランスジェニック(single-cTG)マウスを作製するため、ES細胞にCRISPR/Cas9システムを用いて各因子の下流に蛍光タンパク質を導入し生体化を試みている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ノックアウトマウスの解析は概ね予定通り進行しており、可視化トランスジェニックマウス作製は計画の段階でチャレンジな研究になることを予想しており、トライ&エラーを繰り返し小さな改良を取り入れつつ遂行できているため。 また、本研究の実行過程において得られた内容をもとに論文発表に至ったため(BOR2010,1月)。
|
Strategy for Future Research Activity |
KIAA1210-KOと同腹仔野生型(WT)精巣タンパク質のプロテオミクス解析およびRNAシークエンス解析を行い、変動した遺伝子を同定する。さらに、そのターゲット遺伝子に関して組織化学的、タンパク質工学的にKOとWT精巣で解析する。KIAA1210-cTGマウス、その関連因子のmulti-cTGマウスの精子形成を静止画で解析し関連性を探求する。cTGマウスを用いて動的可視化解析法を探求する。
|
Causes of Carryover |
論文の受理が2020年1月であり、印刷料の支払い請求書を年度内に受け取ることを予想していたが、年度内には受け取ることがなかったため。次年度使用額は論文発表関連経費に使用する予定である。
|
Research Products
(6 results)