2019 Fiscal Year Research-status Report
Research on establishment of information dissemination base to gain social understanding of animal experiment
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19K06453
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
笠井 憲雪 東北大学, 医学系研究科, 名誉教授 (60001947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
打越 綾子 成城大学, 法学部, 教授 (40349163)
越本 知大 宮崎大学, フロンティア科学総合研究センター, 教授 (70295210)
加隈 良枝 帝京科学大学, 生命環境学部, 准教授 (00399007)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 動物実験情報 / 実験動物福祉 / 一般市民意識調査 / 高校生物教育 / 動物実験情報発信基盤 / 動物実験情報発信倫理 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019度は、研究期間の初年度にあたる。年度当初の研究班会議にて次の4つのサブテーマを立て、研究を開始した。 ①一般市民の動物実験に関する意識調査の継続基盤確立:2020年に第2回市民意識調査を行い、2017年調査と比較し、この間の意識変化について考察する。さらに2020年以降の意識調査継続基盤の確立することとした。②高校生物教育の動物使用学習の適切な支援法の提言と支援組織の構築:日本実験動物学会及び日本生物教育会と連携するため、関西、東京、北海道に地域組織を構築し、各地域の高校教師と研究班との議論の場を作る。そして生物教育での生きた動物使用ガイドラインを作成する。これを基に動物使用に関する情報や教材の提供、倫理情報や教育計画の審査、飼育や麻酔などの技術面の支援、大学や研究機関との連携の斡旋等を行う支援組織を構築する。2019年5月の第66回日本実験動物学会において、「日本実験動物学会の社会貢献活動:高校生物教育」のシンポジウムを行い、本研究班の4名が本会活動の発表をおこなった。地域組織は、東京で2020年2月開催の東京都生物教育研究会研修会に研究班員が参加し、高校教師と情報交換を行なった。北海道では2020年3月に北海道高等学校理科研究会生物研究チーム代表および副代表を含む3名の教師と生物教育の課題を話し合い、生きた動物を教材として使用する場合のガイドラインの必要性と共同での活動を検討することを合意した。③動物実験情報発信基盤の構築:2018年イギリス UAR 訪問時に担当者から UAR website の教材を我々が参考にさせてもらうことに同意を得た。本研究では一部を引用させてもらいつつ、我が国にふさわしい方法を研究する。そして実際に Web 上のプログラムを作成し、公開し、社会の反応をみる。④動物実験に関する情報発信における倫理に関する研究:今後の方法について議論した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
4つのサブテーマの本年度の研究の進捗状況について。 ①一般市民の動物実験に関する意識調査の継続基盤確立:来年度(2020年度)に実施する。 ②高校生物教育の動物使用学習の適切な支援法の提言と支援組織の構築:研究実績の項で記載したように、今年度は日本実験動物学会及び日本生物教育会との連携、を行い、関西、東京、北海道地域高校生物教師との連携を目的として活動を行なった。そして特に北海道地域では北海道高等学校理科研究会生物研究チームとの共同で動物を用いる生物教育実施のためのガイドライン作りを支援する方向性が作られた。 ③動物実験情報発信基盤の構築:2018年に実施したイギリス UAR の訪問記「市民へ動物実験の理解を促す活動団体“UAR”」 LABIO21,No79, P30-32, 2019を発表した。また動物実験情報発信基盤の構築として本研究の成果並びに実験動物福祉情報を公開するためのWebsiteの構築を開始した。2020年度に完成公開予定である。 ④動物実験に関する情報発信における倫理に関する研究:今後の方法について議論した。
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Strategy for Future Research Activity |
次の4つのサブテーマについて方策を述べる。 ①一般市民の動物実験に関する意識調査の継続基盤確立:2017年度に実施した意識調査の結果を踏まえ、調査項目を検討し、2020年度に実施する。そして2017年度実施調査結果と比較し、報告書を作成する。さらに今後の調査法について検討する。 ②高校生物教育の動物使用学習の適切な支援法の提言と支援組織の構築:北海道に引き続き東京と関西で地域高校生物教師との連携組織を立ち上げる。そしてそれぞれの連携テーマを検討して活動を行う。また、本研究班メンバーが参加して2020年5月に日本実験動物学会総会シンポジウム「次の研究者へ、高校教育、実験動物学会のできること」が企画されたが、COVIT-19禍により中止になった。このため今後同趣旨のシンポジウムを企画する。さらに2021年に開催予定の日本生物教育会北海道大会で日本実験動物学会との連携したシンポジウムの企画を検討し、準備する。 ③動物実験情報発信基盤の構築:2019年度に本研究の成果並びに実験動物福祉情報や動物実験情報を発信するためのWebsiteの構築を開始した。2020年度に完成させ、これを発信基盤として有用な情報の発信を行うべく検討する。 ④動物実験に関する情報発信における倫理に関する研究:動物実験倫理についての研究を行い、得られた成果を発信する。
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Causes of Carryover |
初年度交付額を研究代表者及び3名の研究分担者へ配分したが、研究代表者の配分経費に不足が生じたため、次年度配分予定額から間接経費を入れて390,000円前倒し支払い請求を行いった。しかし残額が生じたため、これを次年度への繰越とした。次年度は一般市民への動物実験に関する意識調査の実施、生きた動物を使用する高校生物教育の倫理的支援、さらにシンポジウムの実施を予定しており、次年度使用額はこれらの支出に充当予定である。
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Remarks |
非営利組織実験動物福祉コミュニケーションは動物実験倫理・規則のコンプライアンス支援組織であり、実験動物に関する情報発信も目的の一つとしている。このwebsiteで実験動物福祉に関する情報発信の一環として本科研費研究費研究成果を公表している。
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Research Products
(8 results)