2019 Fiscal Year Research-status Report
Does secondary treatment of seeds by rodents and dung beetles alter the seed dispersal efficiency?
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19K06837
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
辻 大和 京都大学, 霊長類研究所, 助教 (70533595)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 洋之 京都大学, 霊長類研究所, 助教 (20335243)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 種子散布 / 糞虫 / ジャコウネコ / 二次散布 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年8-9月と2020年1月の計2回、インドネシア・西ジャワ州のパガンダラン自然保護区を訪問し、野外調査を実施した(このうち前者については、研究分担者の田中が同行)。 自然保護区に生息する霊長類2種(ジャワルトン Trachypithecus auratus、カニクイザル Macaca fascicularis)の糞を採集した。この糞をベイトとしたピットフォールトラップを保護区の林内に設置し、糞虫類を採集した。採集した糞虫類はボゴール農科大学にて同定し、前年度のデータも合わせて個体数の季節変化を評価した。糞虫の採集と並行して、糞の近くに自動撮影カメラを設置し、糞が糞虫類に埋土・分解される様子を記録した。 2019年8-9月の調査では、林内に自動撮影カメラを設置して、保護区内の動物相の調査を実施した。その結果、食肉類の一種であるコモンパームシベット Paradoxurus hermaphroditus が頻繁に撮影された。本種の糞は自然保護区内で頻繁に見つかるため、彼らは霊長類と並んで重要な種子散布者だと考えられる。自動撮影カメラの調査と並行して、これまでに集めたシベットの糞の内容物を分析した。 2020年1月の調査は、短期の訪問だったこともあり、糞虫類の調査は実施せず、霊長類のセンサス、ジャコウネコの糞サンプルの回収状況の確認、および来年度以降の研究連絡を行った。 本年度は、3編の学術論文を英文で公表するとともに、国内外の3つの学会で発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
パガンダラン自然保護区に生息する糞虫相については、2年前から継続してきたピットフォールトラップによる調査が完了した。その結果、3属17種の糞虫類を同定でき、糞虫相に関しては学術誌に報告した。糞虫がどの動物の糞を好むのか、ならびに糞の埋土深についての予備調査を実施した。 いっぽう、二次散布された種子の発芽率の評価や、げっ歯類の調査は、当初予定していた時期に海外出張できず、実施できなかった。これらの項目については、2020年度にすすめたい。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目となる2020年度は、昨年度の調査を継続し、各動物種の糞に対する糞虫の好みの評価、ならびに糞の埋め込み深さの評価を行う。 昨年度は、二次散布された種子の発芽率の評価、ならびにげっ歯類の調査を実施できなかったため、本年度に実施する。 調査と並行して、関連する学会(日本哺乳類学会、日本生態学会、日本霊長類学会)で成果の一部を発表する。
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Remarks |
研究代表者のホームページ
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