2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K06865
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
濱田 穣 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (40172978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 毅 京都大学, 霊長類研究所, 助教 (20711485)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アカゲザル種群 / 系統地理学 / RAD-Seq / 集団遺伝学的解析 / 更新世気候変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
アカゲザル種群の進化に関して、次のようなことが明らかにされた。アカゲザル種群は、アカゲザル(M. mulatta)、タイワンザル(M. cyclopis)およびニホンザル(M. fuscata)で構成され、アカゲザルには10ほどの亜種がある。カニクイザル種群が姉妹種群である。南アジアから東アジアに広く分布し、アカゲザル種群の進化において交雑、特にオスに偏った移住が強く影響していることが解明された。更新世の気候変動に伴う、地理的隔離と独自化、および分散・遺伝子流動によるAdmixtureのフェーズがあり、それぞれの種の特徴は両方の要素が混在して形成されている。 アカゲザル種群内では、proto-mulatta(進化過程にある中間祖先集団)がfascicularis種群から分岐し、大陸で中緯度域に広く分散した。そこからproto-fuscataとproto-cyclopisが分岐し、さらに大陸集団は大きく東西二つに、さらに地域別に亜種に分岐した。その後、proto-東mulattaからproto-cyclopisとproto-fuscataへ、別の機会および別の地域集団が遺伝子移入し、M. cyclopisとM. fuscataが起源した。大陸集団では、インドシナ半島の地域集団は、東西からの遺伝子流動があるとともに、カニクイザル基亜種 (M. fascicularis fascicularis)から遺伝子流動があり、独特の亜種を構成する。 アカゲザザル種群の進化において、カニクイザル種群以外の、他種群からの交雑化・遺伝子移入の影響は、ほとんど無い。これは生息地条件(気候帯、植生や地理的条件);地上性か樹上性か;身体的形態(例、生殖器形態や性皮);および社会の型によって生殖的に隔離されているためであろう。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Phylogeographic history of Japanese macaques2021
Author(s)
Ito Tsuyoshi、Hayakawa Takashi、Suzuki-Hashido Nami、Hamada Yuzuru、Kurihara Yosuke、Hanya Goro、Kaneko Akihisa、Natsume Takayoshi、Aisu Seitaro、Honda Takeaki、Yachimori Syuji、Anezaki Tomoko、Omi Toshinori、Hayama Shin‐ichi、Tanaka Mikiko、Wakamori Hikaru、Imai Hiroo、Kawamoto Yoshi
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Journal Title
Journal of Biogeography
Volume: online
Pages: 1~12
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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