2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of goshajinkigan products for the prevention of sarcopenia
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19K07149
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
牧野 利明 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 教授 (80326561)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 牛車腎気丸 / Sirtuin遺伝子1 / 車前子 / 沢瀉 / 茯苓 / 附子 |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢化社会を迎えるにあたり、現代医療の中で老年症候群への対応が求められ、その代表的な疾患としてサルコペニアの予防や治療が課題となっている。そのような症状は、漢方医学での「腎虚」に相当すると考え、代表的な腎虚に対応する処方である牛車腎気丸の筋萎縮抑制作用を検討してきている。 昨年度は、マウス横紋筋由来C2C12細胞を分化させた骨格筋モデル細胞に、MuRF1プロモーター領域を組み込んだレポータープラスミドを一過的に遺伝子導入し、dexamethazoneを加えた時のMuRF1 mRNA発現誘導に対して抑制作用を持つ生薬および化合物を探索し、加工ブシエキスおよびその成分として、higenamineの作用を確認した。 本年度は、長寿遺伝子としても知られ骨格筋萎縮や骨格筋肥大に関与しているSirtuin遺伝子1(Sirt1)に着目し、ヒト胎児腎由来HEK293細胞を用い、Sirt1プロモーター領域を組み込んだレポータープラスミドを一過性に導入、その後、牛車腎気丸およびその各構成生薬から調製したエキスを添加し、24時間後のルシフェラーゼの活性を測定した。ポジティブコントロールとしてレスベラトロールを使用した。 牛車腎気丸の熱水抽出物は、control群と比較して濃度依存的に有意なSirt1 mRNA発現を誘導活性が見られた。牛車腎気丸の構成生薬それぞれのMeOHエキスでは、車前子、沢瀉、茯苓、加工ブシの各エキスに活性を認めた。牛車腎気丸の筋萎縮抑制作用の一部に、Sirt1発現誘導作用が関与することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
牛車腎気丸の新たな作用ターゲットを見つけることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、Sirt1転写促進活性を指標に、各生薬から有効成分の単離を目指す。
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Causes of Carryover |
生薬に含まれる成分探索まで行けなかったため、HPLCカラム等、高価な消耗品を購入することがなかったため。次年度以降は、成分探索でそのような消耗品を購入する予定である。
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