2021 Fiscal Year Annual Research Report
A novel model of the non-obese diabetes and investigation of immune abnormality
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19K07380
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
斉藤 真一 山形大学, 医学部, 助教 (90536674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅尾 裕信 山形大学, 医学部, 教授 (80250744)
中島 修 山形大学, 医学部, 教授 (80312841)
武田 裕司 山形大学, 医学部, 准教授 (90302299)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 5-アミノレブリン酸 / 糖尿病 / 自然免疫 / 炎症性サイトカイン / 好中球 / リポポリサッカライド / 活性酸素種 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、糖尿病患者の感染症重症化リスクは、解決すべき医療問題となっている。しかし、糖尿病の進行によって生じる免疫機能の低下のメカニズムは、明らかではない。我々が作出した5-アミノレブリン酸(5-ALA)合成酵素遺伝子破壊(Alas1+/-)マウスは、肥満を伴わずに糖代謝異常が進行し、合併症を発症する糖尿病後期と類似した病態を示す。本研究は、5-ALA合成経路の自然免疫反応に対する影響を明らかにするため、当マウスの免疫機能を評価し、5-ALAの薬理効果を検証した。 全身での炎症反応性を評価するために、マウス生体へのリポポリサッカライド(LPS)注射による敗血症誘導実験を行い、刺激後の血中サイトカインの経時変化を測定した。野生型マウスの一部では、刺激後短時間で上昇したIL-6が減少することなく増加し死に至るが、Alas1+/-マウスでは上昇したIL-6はすぐさま減少し、その後生存し、刺激に対する免疫応答能の低下を示した。 好中球は、自然免疫系の主要な細胞であり、活性酸素種(ROS)の産生を介してその抗菌機能を発揮すると考えられている。好中球のAlas1活性は高く、5-ALA欠乏と補充の寄与は大きくなると考え、野生型およびAlas1+/-マウスに5-ALA(2 mg/ml)を2週間飲水投与しその前後での、末梢血中の好中球のROS産生能と貪食作用の変化を解析した。Alas1+/-マウスは好中球のROS産生能と貪食作用が減弱していたが、2週間の5-ALA飲水投与により改善された。 Alas1+/-マウスは自然免疫反応によって生じる炎症反応が低下していた。さらに、好中球機能低下は、5-ALAを補充すると改善した。これらのことから、5-ALA合成経路が自然免疫に影響していることが明らかとなった。5-ALAの補充は、糖尿病合併症の免疫機能低下に対して、自然免疫反応の改善につながる有効な治療となる。
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Research Products
(6 results)