2022 Fiscal Year Annual Research Report
Phosphoproteomic analysis of IFN production mechanism by plasmacytoid dendritic cells
Project/Area Number |
19K07605
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北脇 年雄 京都大学, 医学研究科, 助教 (50378684)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 形質細胞様樹状細胞 / インターフェロンα / 定量的リン酸化プロテオーム解析 / チロシンキナーゼ阻害剤 / 自己免疫性疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
形質細胞様樹状細胞(plasmacytoid dendritic cell: pDC)は,Toll-like recepor 9 (TLR9)介在性に病原体の核酸に反応して大量のinterferon α (IFN-α)を迅速に産生し,生体防御において重要な役割を果たす細胞である。しかしその一方で,全身性エリテマトーデスや尋常性乾癬をはじめとする自己免疫・炎症性疾患においては,pDCは自己の核酸に異常に反応してIFN-αを産生し,これらの疾患の病態形成にも深く関与している。pDCによるIFN-α産生を制御することができればこれらの疾患の治療に応用できる可能性が高い。しかし,pDCは人体において稀少な細胞であり,これまでプロテオーム解析は困難であったっため,pDCが大量にIFN-αを産生するメカニズムについては不明な点も多い。本研究では,我々が白血病患者から独自に樹立したpDC細胞株を用い,定量的リン酸化プロテオーム解析によってpDCのIFN-α産生に関わるシグナルを網羅的に解析するとともに,プロテオーム解析と複数の阻害剤を組合わせることによって,pDCの活性化を特異的に制御することのできる標的分子を同定することを目的とした。我々はpDCのIFN-α産生を阻害する阻害剤をすでに複数同定している。しかし,阻害剤の一般的な特徴として,標的とするシグナル経路がひとつではなく,ひとつの阻害剤が複数のシグナル経路を標的に阻害活性を発揮するため,真に重要なシグナル経路を同定することがしばしば困難である。我々は複数の阻害剤についてリン酸化プロテオーム解析を行い,阻害プロファイルを比較することによってpDCのIFN-α産生に特異的に関与する可能性のあるリン酸化蛋白を同定した。
|