2021 Fiscal Year Annual Research Report
GPIアンカー型タンパク質Ly6C分子による免疫応答調節機構の解明
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19K07626
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
森本 純子 徳島大学, 先端酵素学研究所, 助教 (20451396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 満 徳島大学, 先端酵素学研究所(次世代), 教授 (60221595)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | GPIアンカータンパク質 / Ly6C / 大腸炎モデル / 胸腺髄質上皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
Ly6ファミリー分子の一つであるLy6Cは、ミエロイド細胞、顆粒球、T細胞といった免疫細胞にその発現を認める。Ly6Cの発現は細胞亜群のマーカーとしてよく利用されている。活性化したT細胞上にLy6Cの発現が誘導されることが報告されており、CD8陽性T細胞のリンパ節へのホーミングに関与することや、CD4陽性T細胞においてはそのエフェクター機能に関与することが示唆されている。しかしながらこれらの研究は全てin vitroでの研究結果であるためLy6Cの生理学的機能は不明である。我々は免疫細胞が発現するLy6Cの機能を明らかにすることを目的としてCRISPR/Cas9を用いたLy6C欠損マウス(Ly6C1およびLy6C2両方が欠損している)およびLy6C1のみを特異的に欠失するノックインマウスを樹立した。Ly6C欠損マウスにおけるリンパ組織中の免疫細胞の分布を解析したところ、野生型マウスと比較して差を認めなかった。さらに腹腔内に浸潤するマクロファージについても解析を行ったが、Ly6C欠損マウスと野生型マウス間で差は認めなかった。Ly6C欠損マウスより調整したT細胞は野生型マウスから調整したT細胞と同等の増殖を示したことから、Ly6C分子はT細胞増殖には関与しないことが示された。IL-10欠損マウスで報告されている大腸炎において、腸管上皮細胞がLy6Cを発現することが報告されている。そのためデキストランサルフェイト(DSS)により誘発される大腸炎モデルを用いて病態形成にLy6Cが関与するかどうかを検討したところ、Ly6C欠損マウスにおいても野生型マウスと同等の病態形成を示した。よって大腸炎病態形成にLy6Cは関与しないことが示された。Ly6C1 とLy6C2の発現パターンは免疫細胞によって異なることがLy6C1特異的欠損マウスを用いることで明らかとなった。
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[Journal Article] Development of organ-specific autoimmunity by dysregulated Aire expression2022
Author(s)
Nishijima H, Sugita M, Umezawa N, Kimura N, Sasaki H, Kawano H, Nishioka Y, Matsumoto M, Oya T, Tsuneyama K, Morimoto J, Matsumoto M.
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Journal Title
Immunology & Cell Biology
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed
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