2019 Fiscal Year Research-status Report
性周期および内受容感覚が感情認識・制御に及ぼす影響:認知神経科学による検討
Project/Area Number |
19K07806
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
寺澤 悠理 慶應義塾大学, 文学部(日吉), 准教授 (30585790)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 内受容感覚 / 性周期 / 感情 / 自律神経機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
感情は身体内部状態の受容(内受容情報)と環境情報の統合的な理解によって生じると考えられる。しかし、脳と心におけるその過程は十分に解明されたとは言い難い。この問題を解くために、本研究では、日常生活において身体内部状態の変化が感情に及ぼす影響を如実に示す例として、女性の性周期に伴う自律神経活動の変動に着目している。 本年度は、研究の一段階目である、1ヵ月間の実生活における自律神経活動の変動と感情認識・制御の関係の実態収集の準備に取り組んだ。この研究の遂行にあたり、研究参加者への負担をなるべく低く抑え、かつ長期間の安定した自律神経活動を収集するシステムの構築が必要である。このシステムの構想および必要な機器の整備、そして複数回繰り返し実施する感情の感受性および内受容感覚の正確さ・敏感さを計測するための課題の設計を行った。また、研究倫理委員会に研究計画を提出し、承認を得た。新年度にはデータの収集を開始できる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上述の通り、本年度は課題の設計やデータ収集システムの構築に従事した。2月以降、データ収集を本格化する予定であったが、感染症の広がりにより、ヒトを対象とした研究の遂行が難しくなってしまったため、当初の予定よりもデータ収集の開始が遅れてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
実験参加者に会わなくてもデータの収集を開始できるよう、オンラインでの研究遂行の方策を考えている。ただし、外出自粛が続いており、本計画が目指すような日常的な生活におけるデータとしての質が担保できるかどうかは検討が必要である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症に伴う社会状況によって、被験者に参加してもらってのデータ収集時期が遅れたため、また3月に予定をしていたアメリカにおける国際学会に参加することができなくなったため、2019年度の使用予定額に残余が生じた。 2020年度には、オンラインでのデータ収集を開始し、2019年度の残余額と合わせた使用を行う計画をしている。具体的な支出予定としては、2019年度に調整を行ったオンラインで生理指標を収集できる装置の購入を行い、実験参加者の登録を6月には開始する。これに伴い、実験補助者の雇用や参加者への謝金を支出する予定である。
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Research Products
(3 results)