2019 Fiscal Year Research-status Report
神経炎症によるアストログリアの形質運命決定機構の解明と新しい治療薬探索
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19K07821
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 亜希子 京都大学, 医学研究科, 助教 (80649046)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 神経炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳において神経細胞を支えるアストロサイトは、神経細胞の栄養や不要物の排除など、正常な脳機能に重要な役割を果たしている。脳・脊髄損傷などの障害に反応してアストロサイトは活性化し、炎症性細胞の浸潤抑制など神経保護的役割を果たす一方、軸索再生抑制や神経細胞死の誘導など障害的形質を獲得するという多様性を示す。 特に「障害性活性化アストロサイト」は、アルツハイマー病などの神経変性疾患に存在する ことが報告され、神経炎症による神経脱落の主要因であることが示唆されつつある。本申請研究では、活性化環境条件により二面的な性質を示すアストロサイトがどのようにしてその形質を決定するのか、形質運命決定の分子機構を探った。 障害性活性化アストロサイトの誘導を抑制する化合物を探索するため、in vitro screening系を構築した。神経炎症をin vitroで再現し、アストロサイトの活性化を抑制しうる化合物を探索した結果いくつかの候補化合物を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
活性化アストロサイトの誘導にNfKB経路が関与していることを明らかにしただけではく、活性化を抑制する化合物を探索した結果、候補化合物の取得にいたった。
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Strategy for Future Research Activity |
アストロサイトの活性化を制御しうる化合物を取得したことから、その作用機序解析および制御しうる遺伝子群の網羅的解析を行う。
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Causes of Carryover |
今年度で取得した候補化合物について、機序解析および下流遺伝子の網羅的解析を行う。
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Research Products
(2 results)