2021 Fiscal Year Annual Research Report
ヒツジ胎仔を用いた人工子宮システムの開発: 成育限界児に対する効果と安全性の評価
Project/Area Number |
19K08292
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡邊 真平 東北大学, 大学病院, 助教 (70509413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 昌利 東北大学, 医学系研究科, 教授 (00451584)
埴田 卓志 東北大学, 大学病院, 講師 (30400360)
佐藤 信一 東北大学, 大学病院, 助手 (30770359)
池田 秀之 東北大学, 大学病院, 助手 (40822888)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ヒツジ / 人工子宮 / 人工胎盤 / 子宮内炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
現行の「保育器と呼吸器で育てる新生児集中治療」では,成育限界期に出生する早産児の後遺症なき生存を達成することが難しいため,これまで多くの研究者が人工子宮システムの開発に挑戦してきた.成育限界期の胎児を一時的に人工子宮内で成熟させた後,現行の新生児集中治療に橋渡しできれば,胎児から新生児への適応不全を避けることができ,その長期的予後の改善が見込まれるからである.そこで本研究では,妊娠95日 (ヒトの妊娠24-25週に相当) のヒツジ胎仔を人工子宮内で5日間成育させ,妊娠100日 (ヒトの妊娠27週に相当) に母獣子宮内で育った胎仔と同等の成長が得られるかどうかを検証する.同時に早産の原因の大半を占める子宮内炎症の影響も合わせて解析する. 令和元年度には8例を人工子宮内で養育し,うち7例が5日間生存し,安定した生理学的データを示した.母獣子宮内で育った胎仔と比較して,剖検時の体重,頭殿長,体重補正後の脳重量と肺重量は両群に有意差を認めなかった.白血球数にも有意差を認めず,人工子宮群の全例で血液培養は陰性であった.また全ての胎仔に脳室内出血は認められず,脳白質損傷は人工子宮で養育した1例にのみ認められた. 令和2年度は羊水中へのLPS注入により子宮内炎症を誘導した状態の胎仔を人工子宮で養育可能であるかの検証を行った.8例の実験を予定したが,2例は妊娠初期に子宮内胎仔死亡となり,1例は子宮内胎仔発育不全であった.そのため5例の母獣羊水内にLPSを注入したのちに胎仔を人工子宮内で養育することができた. 令和3年度も子宮内炎症を誘導した胎仔3例を人工子宮内で養育した.また同様に羊水内にLPSを注入したのち,母獣子宮内で育った対照群8例からも検体を収集した.
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Research Products
(1 results)