2019 Fiscal Year Research-status Report
Mechanism of the relationship between docosahexaenoic acid and lipid-related nuclear receptors during lactation
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19K08309
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
瀧谷 公隆 大阪医科大学, 医学部, 教授 (80319540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 彰子 大阪医科大学, 医学部, 非常勤講師 (90330076)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 母乳 / 核内受容体 / ドコサヘキサエン酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
母乳は乳児にとって理想的な栄養物であり、感染予防物質・細胞・ホルモン・酵素・成長因子・結合タンパク質など多くの物質を含んでいる。多くの母乳成分は、初乳から移行乳を経て、成乳に成るとともに成分含量は急激に変化する。母乳は、母子の愛着すなわち良好な母子関係の成立に重要であり、さらには、母乳を摂取した乳児の免疫力が増強され、消化管腸内細菌叢の形成が促進される。初乳は出産後数日以内の母乳であり、移行乳、さらに10日以降は成熟乳となる。特に脂質は初乳から、成熟乳にかけて、増加していく。我々は、乳腺組織に存在する核内受容体群(LXR: liver X receptor とPPARα: peroxisome proliferator-activated receptor、脂質代謝に関係する転写因子)が母乳中の脂質濃度調節に関与することを見いだした。また、n-3系長鎖多価不飽和脂肪酸であるDHA(ドコサヘキサエン酸)は、中枢神経組織や網膜の細胞膜脂質の主要脂肪酸であり、神経細胞が発達する胎児期後期から乳児期にかけて必要量が高い。DHA量が十分でない乳児では神経発達に影響が及ぶとされ、DHAの体内貯蔵に制限のある早産児ではn-3系長鎖多価不飽和脂肪酸の栄養管理が重要となる。さらには脂質代謝に関係する核内受容体の活性化に影響することで知られている。今までの研究成果を進めて、DHAが授乳期の乳腺組織において核内受容体(LXRとPPARα)の活性化に影響するメカニズムと母乳脂質濃度調節に関与するか否かをin vivoで検討する。現在、乳腺組織において、ドコサヘキサエン酸が脂溶性ビタミンの代謝関連遺伝子群の発現との明らかな相関は検討段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DHAと脂質・脂溶性ビタミンとの相関に関して以下の検討を行った。Wistar 雌ラット(17週齢)妊娠期および授乳期(4・14・21日)において、母体乳腺および肝臓組織の脂質代謝調節遺伝子群(核内受容体LXR、PPARαおよびFXRの標的遺伝子群:報告済)以外に脂溶性ビタミンの代謝制御に関与する遺伝子群(核内受容体RAR、RXRおよびVDRの標的遺伝子群)の発現変化をreal-time PCR法で検討した。その結果、授乳期において、RARおよびRXRの標的遺伝子群の発現が若干変動していた。しかし、VDR遺伝子の標的遺伝子群には変動を認めなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
DHA は脂質代謝に関与するLXRおよびPPARαの活性に影響する。すなわち、DHAはリガンドとしてPPARα活性の増強を促し、LXRα活性を抑制する。DHAは脂質代謝に影響することが考えられる。以上から乳児の神経発達に必須であるDHAが、いかに授乳期の乳腺組織における脂質代謝に関与し、母乳中脂質濃度調節に影響するかを検討する。それについて、今後は下記の検討を行う。 1)DHAと脂質・脂溶性ビタミンとの相関:母体および母乳中DHA濃度と脂質・脂溶性ビタミンとの相関を検討し、さらにRARおよびRXRの標的遺伝子群の発現との関連を検討する。 2)LXRα遺伝子欠損マウスおよびPPARα遺伝子欠損マウスにおける母乳脂質動態に関する検討: 哺乳LXRα遺伝子欠損マウスおよびPPARα遺伝子欠損マウスに、それぞれ PPARαとLXRのリガンドを投与する。そこで、乳腺組織中の脂質代謝調節遺伝子群(核内受容体LXR、およびPPARαの標的遺伝子)の発現を検討する。また母乳中の脂質濃度(中性脂肪・コレステロール・総脂質など)およびDHA濃度を測定し、上記の遺伝子発現との相関を検討する。
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Causes of Carryover |
動物実験において、既存の試薬を用いることで、残額が生じた。次年度の実験試薬代に充当する予定である。次年度使用額(1,255,800 円)は、動物購入・飼育費用、分子細胞生物実験の試薬代およびプラスチック製品代に充当する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Policy Statement of Enteral Nutrition for Preterm and Very Low Birthweight Infants.2020
Author(s)
Mizuno K, Shimizu T, Shinobu Ida, Ito S, Inokuchi M, Ohura T,Okumura A, KawaiM,Kikuchi T, Sakurai M, Sugihara S, Suzuki M,Takitani K,Tanaka D,Mushiake S,Yoshiike N,Kodama H,Kazuo Okada K, Tsutsumi C, Hara M, Hanawa Y,Kawakami K, Inomata H, Oguni T,Bito Y,Uchida K, Akihide Sugiyama A.
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Journal Title
Pediatr Int.
Volume: 62
Pages: 124-127
DOI
Peer Reviewed
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