2020 Fiscal Year Research-status Report
膵、消化管の再生医療を念頭においた組織再生関連遺伝子Regに関する研究
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19K08405
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
大村谷 昌樹 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (60398229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 広一 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (60378742)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Reg |
Outline of Annual Research Achievements |
Regenerating gene (Reg)は、損傷された膵臓が再生する過程で誘導される遺伝子としてクローニングされ、膵ラ氏島に作用して細胞増殖作用を有し、膵再生関連因子として注目されている。また膵臓だけで無く、消化管粘膜の障害後の再生にもRegが関わっていることが知られている。 本研究課題では、7遺伝子(Reg1,2,3a,3b,3d,3g, and 4)で構成されるReg familyのうち、6遺伝子(Reg1,2,3a,3b,3d,3g)を全身で欠損させたマウスを作製(Reg-/-)、解析し、Regの本質的な生体での役割解明を目指す。 Reg-/-マウスはメンデルの法則に従って生まれ、その後の成長も野生型と差が見られなかった。8週齢でコレシストキニンアナログのセルレインを用いて、急性膵炎惹起刺激を行った。急性膵炎直後の重症度には差が見られなかったものの、その後の再生がやや(軽度)遅れることが判明した。その原因を明らかにするために、膵再生、線維化に関わっているとされる膵星細胞のマーカーであるデスミンおよびaSMAをウエスタンブロットおよび蛍光免疫染色で観察した結果、その活性化もReg-/-マウスではやや遅れることが判明した。 消化管については、病理学的検討では、生理的条件においては顕著な差が見られていないことから、膵臓と消化管においては、Reg1-3遺伝子は顕著な役割ははたしていないことが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Reg familyの6遺伝子の欠損で急性膵炎後の膵再生が抑制されると仮定していたものの、極めてわずかな遅れにとどまったため、確認の再実験が必要となったためである。膵再生が行われたのはReg4遺伝子がその機能を補ったためと新たな仮説を立てて、実験を行っている。現在、Reg4遺伝子の発現解析について、条件検討に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
Reg1-3の6遺伝子は6番染色体の約100kb内にクラスターで位置しているのに対し、Reg4は3番染色体に位置している。Reg1-3の6遺伝子を欠損しても大きな表現型がでない理由の1つはReg4が代償的に機能している可能性がある。本欠損マウスにおけるReg4遺伝子の発現様式をqPCRおよびウエスタンブロット、免疫染色法を用いて、解析する計画である。Reg4遺伝子の発現上昇が確認できれば、CRISPR/Cas9システムを用いて、Reg4 KOマウスを作製し、Regの7遺伝子を欠損したマウスの解析を行う計画である。
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Causes of Carryover |
Reg4遺伝子の発現解析について、条件検討に時間を要したため。また、Reg4欠損マウスの作製に至らなかったため、次年度に作製を計画している。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Fusobacterium nucleatum confers chemoresistance by modulating autophagy in oesophageal squamous cell carcinoma.2020
Author(s)
Liu Y, Baba Y, Ishimoto T, Tsutsuki H, Zhang T, Nomoto D, Okadome K, Yamamura K, Harada K, Eto K, Hiyoshi Y, Iwatsuki M, Nagai Y, Iwagami S, Miyamoto Y, Yoshida N, Komohara Y, Ohmuraya M, Wang X, Ajani JA, Sawa T, Baba H.
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Journal Title
Br J Cancer.
Volume: 124
Pages: 963-974
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Lung fibroblasts produce IL-33 in response to stimulation with retinoblastoma-binding protein 9 via production of prostaglandin E2.2020
Author(s)
Adachi T, Yasuda K, Muto T, Serada S, Yoshimoto T, Ishii KJ, Kuroda E, Araki K, Ohmuraya M, Naka T, Nakanishi K.
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Journal Title
Int Immunol.
Volume: 32
Pages: 637-652
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Deletion in the Cobalamin Synthetase W Domain-Containing Protein 1 Gene Is associated with Congenital Anomalies of the Kidney and Urinary Tract.2020
Author(s)
Kanda S, Ohmuraya M, Akagawa H, Horita S, Yoshida Y, Kaneko N, Sugawara N, Ishizuka K, Miura K, Harita Y, Yamamoto T, Oka A, Araki K, Furukawa T, Hattori M.
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Journal Title
J Am Soc Nephrol.
Volume: 31
Pages: 139-147
DOI
Peer Reviewed / Open Access