2021 Fiscal Year Annual Research Report
膵、消化管の再生医療を念頭においた組織再生関連遺伝子Regに関する研究
Project/Area Number |
19K08405
|
Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
大村谷 昌樹 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (60398229)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 広一 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (60378742)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | Reg / 慢性膵炎 / 膵星細胞 / CRISPR/Cas9 |
Outline of Annual Research Achievements |
X染色体不活性化の原理を応用し膵分泌性トリプシンインヒビターSpink3の欠損マウスをモザイク状にレスキューした慢性膵炎モデルマウスを樹立した。このマウスの出生直後の膵臓の発現解析から、膵線維化に関与する可能性がある遺伝子として、Reg familyを同定した。 Reg familyはReg1-3(3にはa,b,g,dがある)および4の7遺伝子よりなる。Reg1-3の6遺伝子は6番染色体の約100kbの領域にクラスターを形成し(他の遺伝子は含まない)、Reg4のみ3番染色体に位置している。それぞれ単独の遺伝子欠損マウスはすでに報告されているが、顕著な表現型はないとされている。そこで、CRISPR/Cas9システムを用いて、Reg1-3の6遺伝子を含む100kbを大きく欠損したマウス(Reg欠損マウス)を樹立した。 Reg欠損マウスはメンデルの法則に従って生まれ、その後の成長も野生型と差を認めなかった。Regの発現が多い膵臓、消化管も病理学的に異常は見られなかった。尚、それぞれのタンパクに対する抗体を用いてウエスタンブロットを行い、欠損していることを確認した。 そこで、急性膵炎の惹起刺激を加え、膵炎後の再生と、膵線維化の原因細胞である膵星細胞の活性化に影響を及ぼすのかについて検討を行った。その結果、膵炎の重症度には影響を及ばさないものの、その後の再生が(わずかに)遅れることが判明した。またそれに一致して、膵星細胞の活性化も(軽度ではあるが)抑制されることが判明した。 本研究においては表現型が軽微であったが、Reg4遺伝子の発現には変化が全く見られなかった。この結果はReg4がReg1-3を代償しないことを示唆している。
|
Research Products
(7 results)