• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2021 Fiscal Year Research-status Report

肺高血圧血管病変におけるユビキチン様修飾による平滑筋分化誘導機構の解明

Research Project

Project/Area Number 19K08508
Research InstitutionGunma University

Principal Investigator

小和瀬 桂子  群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50594264)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2023-03-31
Keywords血管平滑筋 / 肺高血圧
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、肺動脈高血圧症の発症と進展における血管平滑筋細胞分化誘導の調節異常の観点から、ユビキチン様修飾(SUMO)化E3リガーゼ活性をもつprotein inhibitor of activated STAT 1(PIAS1)の機能解明、SUMO化が平滑筋にもたらす影響について解明することを目的とした。私達は、血管平滑筋細胞においてclass I bHLH蛋白に結合する因子としてPIAS1を同定し、PIAS1がSRF-CArGシスエレメントを介した平滑筋分化マーカーの発現に重要な役割を担っていることを解明した。さらに、破骨細胞分化を調節する因子として同定されたosteoprotegerine(OPG)が、血管平滑筋細胞において、FGF23がOPG発現を誘導することにより、血管石灰化を抑制することを示した。また、OPGプロモーターがPIAS familyやSRFで活性化される事を示し、さらに、ヒト肺動脈平滑筋細胞において、siRNAを用いてPIAS1発現をknock downすることにより、OPG発現が抑制されることを示した。そのため、私達は、SUMO化E3リガーゼとしてのPIAS1の活性や発現レベルの変化が平滑筋形質変換やosteoprotegerine(OPG)、炎症性サイトカインの発現を調節し、肺高血圧症の発症を制御するという仮説を立てている。
肺動脈平滑筋細胞(PASMC)を用いたreal-time PCR法にて、siRNAによるPIAS1発現を抑制することにより、TGFbetaの平滑筋分化を誘導するシグナルが抑制された。一方で、ubc9を抑制した系では、この働きが認められなかった。一方、IL1beta刺激による平滑筋分化抑制には関与しなかった。また、OPGはNotchシグナルやPIASfamilyにより有意に誘導され、PIAS1siRNAによりこの誘導が抑制されることよりPIAS1はOPG発現にも関与していることが示された。さらに、肺高血圧モデルマウスでOPGやSUMOの気道上皮細胞分布も認められ、病態への関与が考えられた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

Covid19感染拡大のため、一時期実験が滞りがちになった。また、そのための病院での業務が多忙となり、実験時間に制約が生じた。

Strategy for Future Research Activity

低酸素に加えVEGF-R抗体を用い、よりヒト肺高血圧の病態に近いモデルマウスを作成した。このマウスの肺血管組織における平滑筋分化マーカー発現とOPG,ubc9,SUMO1の発現の局在を検討する。現在までにPIAS1, ubc9、SUMO1等の発現部位が同定できているため、平滑筋分化マーカーを用いてどの分化段階の部位に発現を認めるのか確認する。さらに、今回作製したPIAS1やubc9のアデノウイルスベクターを用いて、前述した肺高血圧の病態モデルマウスに投与し、肺高血圧の程度を比較するために、右室重量や右心圧を測定する。同時に平滑筋分化マーカーの発現や炎症性サイトカイン、OPFの発現をreal-time PCR
や免疫組織学的染色法により比較検討する予定である。また、上記モデルマウスの血清を用い、TGFbeta、OPG、IL1alpha/beta、FGF2等の肺高血圧発症・進展に関与すると考えられる因子の発現変化について、EILSAを用いて検討する。

Causes of Carryover

Covid19の感染拡大のため、病院での感染制御業務が多忙となり、実験時間に制約が生じた。特にin vivoの実験は継続性が必要なため、今年度は施行することが出来なかった。使用計画としては、低酸素モデルマウスを使用し、前述のようにアデノウイルスベクターを用いた実験を行う予定である。免疫組織学的染色やELISAも予定している。

URL: 

Published: 2022-12-28  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi