2020 Fiscal Year Annual Research Report
オートファジー基質p62を標的とした新しい悪性中皮腫治療法、診断法の開発
Project/Area Number |
19K08616
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
篠原 義康 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (60723509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻村 亨 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (20227408)
佐藤 鮎子 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (20419823)
結城 美智子 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (60467587)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | オートファジー / p62 / LC3 / シスプラチン耐性 |
Outline of Annual Research Achievements |
作製したシスプラチン耐性GFP-LC3発現悪性中皮腫細胞株(MM16-GFP-LC3-cis-R、MM56-GFP-LC3-cis-R、MSTO-211H-GFP-LC3-cis-R、ACC-Meso4-GFP-LC3-cis-R)とGFP-LC3発現悪性中皮腫細胞株(MM16-GFP-LC3、MM56-GFP-LC3、MSTO-211H-GFP-LC3、ACC-Meso4-GFP-LC3)のGFP-LC3を観察することで、細胞内のGFP-LC3(オートファゴソーム)を観察した。シスプラチン耐性GFP-LC3発現悪性中皮腫細胞株とGFP-LC3発現悪性中皮腫細胞株では、GFP-LC3(オートファゴソーム)の動態に著しい変化はなかった。また、シスプラチン耐性GFP-LC3発現悪性中皮腫細胞株とGFP-LC3発現悪性中皮腫細胞株のLC3蛋白質とp62蛋白質の発現量はウエスタンブロット法では、差がなかった。p62やオートファジーを抑制すると、細胞の増殖能の低下やシスプラチン抵抗性低下が引き起こされるが、悪性中皮腫細胞の悪性化の形質転換には、関与しない可能性が示唆された。しかし、興味深いことに、上皮細胞様の形態であるMM56-GFP-LC3、ACC-Meso4-GFP-LC3は、シスプラチン耐性(MM56-GFP-LC3-cis-R、ACC-Meso4-GFP-LC3-cis-R)になると紡錘形様の細胞に形態が変化した。癌の悪性化や抗癌剤抵抗性などにおいて、上皮間葉転換(EMT)が関わることが知られている。また、EMTが起こると細胞が上皮系細胞から紡錘形様の間葉系細胞に形態が変化する。今回、作製したシスプラチン抵抗性細胞ではEMTのような現象が起きているものと推測されるが、さらにEMTマーカーなどの解析が必要であると考えられた。
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