2019 Fiscal Year Research-status Report
クラミジア感染による宿主DNA損傷の修復制御が炎症誘導に果たす役割
Project/Area Number |
19K08934
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
松尾 淳司 北海道医療大学, 医療技術学部, 教授 (50359486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 博之 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (40221650)
中村 眞二 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40207882)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | クラミジア / 炎症 / DNA損傷 |
Outline of Annual Research Achievements |
偏性細胞内寄生細菌である性器クラミジアは、日本のみならず世界でも主要な性感染症起因菌である。性器クラミジア感染症の多くは自覚症状に乏しいため、無治療のまま放置された結果、不妊や骨盤内炎症性疾患など重篤な結果を引き起こすことがある。そのため性器クラミジア感染症の病態の詳細を明らかにすることが、これら疾患を予防する上で重要となる。性器クラミジアは宿主細胞に感染し増殖する際、炎症の誘導のみならず、様々な細胞応答を誘導することが知られている。活性酸素種の産生もその1つであり、活性酸素種は宿主細胞内の様々な分子を酸化し、その結果、宿主DNAの損傷をも誘導する。本研究は、性器クラミジア感染によるDNA損傷応答が、炎症誘導にどのように関与しているかを明らかにするものである。そこで本年度は、性器クラミジア感染による宿主細胞内の酸化ストレスが誘導されることを確認するために、酸化ストレスに関与する遺伝子の発現をリアルタイムPCR法で確認した。その結果、性器クラミジア感染1日目および2日目において、酸化ストレス応答に関与する遺伝子の発現変動が確認された。一方、性器クラミジア感染により、クラミジア菌量依存的に宿主DNAの損傷を誘導することは、ウェスタンブロット法にて確認した。しかしながら、遺伝子損傷応答に関わる遺伝子の発現変動は、見いだせなかった。これらの結果をもとに、今後、発現変動が認められた酸化ストレスに関与する遺伝子の過剰発現あるいはノックダウン細胞を作製し、性器クラミジア感染における宿主DNAの損傷誘導が炎症応答への役割を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、性器クラミジア感染細胞の遺伝子発現解析から、性器クラミジア感染で発現変動する遺伝子候補が見出された。また、性器クラミジア感染におけるDNA損傷誘導も確認できた。今後、性器クラミジア感染におけるこれら遺伝子の役割を明らかにするために、過剰発現細胞やノックダウン細胞を用いた検討を行う予定である。そのため、本年度の最低限の目標は達成できたと判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、性器クラミジア感染における酸化ストレスの炎症誘導やDNA損傷誘導における役割を明らかにするために、過剰発現細胞やノックダウン細胞を用いた実験を試みる。
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Causes of Carryover |
本年度は、本研究課題を効率的に実施・運用したために、若干の次年度繰越金が生じた。そのため、次年度に使用予定の経費と併せて、本研究を遂行できるように実験経費に使用する。
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