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2020 Fiscal Year Research-status Report

establishment of a novel thyroid and parathyroid cells from iPS cells

Research Project

Project/Area Number 19K09030
Research InstitutionFukushima Medical University

Principal Investigator

鈴木 悟  福島県立医科大学, 医学部, 教授 (30222061)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 横内 裕二  福島県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (60252227)
中村 泉  福島県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (80423804)
大河内 千代  福島県立医科大学, 医学部, 助教 (90583609)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
KeywordsiPS細胞 / 甲状腺細胞 / 副甲状腺細胞
Outline of Annual Research Achievements

試験管での甲状腺、副甲状腺モデル細胞の最適化
甲状腺、副甲状腺は高度に分化した細胞であるため、いわゆる継代できる細胞株として、甲状腺では、濾胞形成能やホルモン自体の合成、副甲状腺ではイオン化カルシウムによる反応性を獲得している細胞は皆無である。また、加齢や性ホルモンの働きでの胸腺退縮メカニズムの解明のためには、胸腺、甲状腺、副甲状腺共通の前駆細胞における遺伝子発現様式の解明が必須である。モデル細胞樹立のため既に下記の段階の細胞は樹立済みである。
第1段階:iPS細胞の樹立と最適化。すでに iPS細胞を樹立する手法は確立ずみであり、正常者、および遺伝性疾患保因者からのiPS細胞を樹立することは可能である。第2段階: 甲状腺、副甲状腺上皮細胞への分化誘導法の最適化 甲状腺濾胞細胞と副甲状腺上皮細胞を多能性幹細胞(iPS細胞)から分化誘導するためには、少なくとも5段階 (STEP1. 内胚葉細胞への分化誘導、STEP2. 前腸内胚葉細胞への分化誘導、STEP3. 甲状腺前駆細胞または第3咽頭嚢細胞への分化誘導、STEP4. 甲状腺濾胞前駆細胞または副甲状腺前駆細胞への分化誘導、STEP5. 甲状腺濾胞細胞または副甲状腺上皮細胞への分化誘導)を経る必要がある。各段階に関わるシグナル伝達経路を逐次的に活性化することで、最終的に成熟した甲状腺濾胞細胞(サイログロブリン合成)および副甲状腺上皮細胞(PTH前駆体合成)の作成を目指す。初年度は、甲状腺濾胞細胞と副甲状腺上皮細胞に共通する前駆細胞である、前腸内胚葉細胞の分化誘導法の最適化までを実施した。今年度はSTEP3まで実施した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

理由: iPS細胞から、甲状腺、副甲状腺細胞の分化誘導の確立をしている。iPS細胞 409B2を用いて、これまでに甲状腺濾胞細胞 (thyroid follicular cell,TFC)と副甲状腺上皮細胞 (parathyroid epithelial cell, PTEC)の共通の前駆細胞である、前腸内胚葉細胞の分化誘導法の確立を行ってきた。
STEP1. 内胚葉細胞の分化誘導内胚葉細胞の分化誘導は2段階誘導法を用いた。まず、iPS細胞から内胚葉細胞への発生運命が決まっている前方原条(anterior primitive streak, APS)を分化誘導するためのシグナル分子と低分子化合物を投与し24時間培養した。さらに、APSを内胚葉(definitive endoderm, DE)に分化誘導するためのシグナル分子と低分子化合物を投与し24時間培養した。免疫組織化学法によって分化状態を解析したところ、約90%の効率でiPS細胞からDE (FOXA2/SOX17二重陽性)を分化誘導できるようになった。
STEP2. 前腸内胚葉細胞の分化誘導 内胚葉形成後において頭尾軸に沿ったパターン形成が行われ、内胚葉細胞から前腸内胚葉細胞、中腸内胚葉細胞、後腸内胚葉細胞が分化誘導される。それぞれの細胞では領域特異的なマーカー遺伝子群(OTX2, PDX1, HOXD13)の発現が誘導される。TFCとPTECの共通前駆細胞である前腸内胚葉細胞を誘導するためのシグナル
分子または低分子化合物を投与し、RT-PCR法のよって各領域特異的マーカーの発現を確認したところ、前腸内胚葉マーカーであるOTX2の発現上昇が確認できた。一方、中腸内胚葉マーカーであるPDX1, 後腸内胚葉マーカーであるHOXD13の発現は確認できなかった。以上の結果は、iPS細胞から前腸内胚葉の分化誘導が可能になったことを示している。
STEP3は、ほぼ終了しているが、最終確認が未施行である。遺伝子の修復方法の簡略化に成功したため、報告した。

Strategy for Future Research Activity

最終年度以降は、STEP3から4以降の分化誘導条件の最適化を実施する。
1. 副甲状腺における、カルシウムによるPTH遺伝子発現に対するネガティブフィードバック機構の解明
現在までホルモンのネガティブフィードバック機構についての分子生物学的知見は、内分泌細胞の高度に分化した制御機構のため、モデルとなる細胞は存在せず、その分子機構の解明を試みる場合、遺伝子改変動物のvivoにおける調節モデルのみである。臨床的に、高カルシウムはPTH発現を抑制する。逆に、低カルシウムは、PTH発現を上昇するのみならず、副甲状腺細胞自体の増殖刺激にもなることが臨床的に明らかとされている。これらの分子機構を探索するために、モデル細胞の存在は重要である。2. 甲状腺結節の発症生育と癌化、その分子的プロセス解明 現在まで報告されている福島県での乳頭癌は、いわゆる腺腫様結節からの発症を疑わせる症例は一例もなく結節外からの発症がほとんどと考えられる。すなわち、大腸癌発症のようなポリープからの癌化といった多段階発がんとは発症メカニズムを異にする。モデル細胞構築により、濾胞形成、ひいては結節形成を試験管レベルで観察可能となり、結節における遺伝子プロファイルを探索することにより、腺腫形成との違いを明らかにする。

Causes of Carryover

論文投稿が前倒しになったため

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] Rapid repair of human disease-specific single-nucleotide variants by One-SHOT genome editing2020

    • Author(s)
      Yokouchi Yuji、Suzuki Shinichi、Ohtsuki Noriko、Yamamoto Kei、Noguchi Satomi、Soejima Yumi、Goto Mizuki、Ishioka Ken、Nakamura Izumi、Suzuki Satoru、Takenoshita Seiichi、Era Takumi
    • Journal Title

      Scientific Reports

      Volume: 10 Pages: 13927

    • DOI

      10.1038/s41598-020-70401-7

    • Peer Reviewed / Open Access

URL: 

Published: 2021-12-27  

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