2020 Fiscal Year Research-status Report
肝癌における新規細胞死フェロトーシス機序解明と革新的治療法への開発
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19K09198
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
伊藤 心二 九州大学, 大学病院, 助教 (90382423)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
副島 雄二 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (30325526)
吉住 朋晴 九州大学, 医学研究院, 准教授 (80363373)
原田 昇 九州大学, 大学病院, 講師 (80419580)
池上 徹 九州大学, 大学病院, 講師 (80432938)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 原発性肝癌 / 腫瘍免疫 / フェロトーシス / 代謝リプログラミング |
Outline of Annual Research Achievements |
肝癌治療における問題点として脈管浸潤による切除後の高頻度の再発、焼灼療法や血管塞栓術後の局所再発、薬剤抵抗性である。我々は微小環境と炎症、生体防御反応機構の観点から肝癌の進展について研究を行っている。近年、新たに提唱された生体防御反応機構の一つであるフェロトーシスの肝癌における役割を明らかにすることである。 臨床検体を用いた解析において、フェロトーシスに関連する微小環境関連蛋白やストレス関連蛋白の発現に関して研究を行い、微小環境における腫瘍免疫が肝細胞癌の予後の層別化、血清中の可溶性PD-L1と関連すること(Hepatology 2020)、酸化ストレスに伴うDNA傷害に対する修復酵素の発現が肝癌の進展に関与すること(Pathology International 2020)を明らかにした。細胞株を用いた解析において、転移形成のためにストレス応答蛋白Nrf2の調整を行い、転移能を獲得することを明らかにした(Cancer Science 2020)。分子標的薬によるフェロトーシス誘導を突き止め、さらにその制御に関して研究を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肝癌細胞株を用いた検討で、分子標的薬投与でフェロトーシスが誘導されることを突き止めた。そのシグナル伝達の機序、フェロトーシス逃避のための分子機序のさらなる検討を行っており、最終年度中に論文投稿を行う予定です。 臨床検体を用いた検討では、腫瘍免疫での予後の層別化を明らかにし(Hepatoly 2020)、また、エピゲネティクスでの腫瘍免疫蛋白制御(Hepatology Communications 2021)を解明した。さらに腫瘍免疫調節因子が免疫制御に関与するのみでなく、癌の悪性化にも寄与していることを突き止めた(Hepatology Communications 2021)。
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Strategy for Future Research Activity |
腫瘍内微小環境と炎症、生体防御反応機構の観点から肝癌の悪性化のメカニズムの解明について引き続き研究を推進していく。
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Causes of Carryover |
当初予定していた腫瘍免疫の実験が当該年度では終了しなかった為。当初予定していた腫瘍免疫の実験を次年度行う為に必要な試薬を次年度繰越金91,154円で購入する。
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Research Products
(14 results)