2019 Fiscal Year Research-status Report
Develop a clear copper film for infection control.
Project/Area Number |
19K09423
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
松嶋 麻子 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (50444550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大原 弘隆 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (80285212)
中村 敦 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40285200)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 感染対策 / 銅 / 銅フィルム / 抗菌作用 / 薬剤耐性 |
Outline of Annual Research Achievements |
病院の環境や医療機器に付着した微生物により生じる院内感染を、銅の抗菌作用を用いて制御する新たな感染対策を開発することが本研究の目的である。私たちは、株式会社UACJの「成膜技術」を用い、薄い透明なフィルムに銅を付着させた「透明な銅フィルム」を開発することができた(特許申請予定)。 令和元年度(平成31年度)は、開発した銅フィルムについて、院内感染で問題となる微生物(黄色ブドウ球菌、大腸菌)に対する抗菌効果をin vitroで検証した。その結果、いずれの微生物も銅フィルムに付着後1時間以内に消滅し、その抗菌活性は銅の厚みによりほとんど差はなかった。現在、黄色ブドウ球菌、大腸菌以外の微生物についても抗菌活性の検討を行い、銅フィルムが幅広い抗菌活性を持つことを検証している。 また、実用化に向けて、付着させる銅の厚みやフィルムの素材を変えた複数の条件を設定し、効果を検討した。その結果、使用する場所や目的に応じた数種類のフィルムが開発されており、現在、医療現場において、それらの耐久性や使い心地を検証している。 令和2年度には、銅フィルムの実用化に向けて最適な条件を設定し、研究協力施設において、院内感染の抑制効果と有害事象、業務効率について検証する予定である。新型コロナウイルスによる感染症が社会的に大きな問題となっており、銅フィルムの抗ウイルス効果についても検証を模索している。 得られた結果は学会発表、論文発表を行い社会に発信する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
共同研究施設の協力により、銅フィルムの開発と基礎実験をほぼ予定通りに行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
微生物を用いた基礎実験を、市の衛生研究所とともに行っているため、新型コロナウイルス感染症の影響により、今後の基礎実験に大幅な遅れが出る見通しである。微生物の基礎実験以外を可能な限り進め、衛生研究所が実験に協力できる状況になれば、微生物実験を進める予定である。
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Causes of Carryover |
実験は、前年度に準備した材料を使用したことで、令和元年度は新たな実験材料の購入がなかった。実験の成果が得られた時期により、国内外での発表もまだ行っておらず、旅費への支出もなかった。 令和2年度は、実験材料の購入、国内外での研究成果の発表のため、助成金を使用する予定である。
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