2019 Fiscal Year Research-status Report
脳動脈瘤コイル塞栓術において個々のコイル形態をモニタリングする装置の開発
Project/Area Number |
19K09533
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
片山 豊 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 技術職員 (50817583)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川原 慎一 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (60780260)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 血管造影 / 脳動脈瘤コイル塞栓術 / 可視化 / 三次元化 |
Outline of Annual Research Achievements |
未破裂脳動脈瘤は破裂するとクモ膜下出血を来たす。クモ膜下出血は予後が非常に悪く、また、動脈瘤が再破裂を起こすと生命に関わる確率が格段に上昇するため、出血源を早く発見し、早急に再破裂を起こさないように処置することが治療の主流となっている。 コイル塞栓術は脳動脈瘤に対する標準治療の一つであるが、その安全性についてはまだ十分に確立されたとは言えない。これまでコイル塞栓術の有効性、安全性を高めるため様々なデバイスが開発され、また、バルーンネック形成やステント併用等の補助技法の開発が進められた。しかしながら、形状やサイズなどバリエーションの多い脳動脈瘤では、挿入された個々のコイルがどのような振る舞いを見せるのか、またコイルどうしの相互干渉がどのように生じるのかという疑問についてはデータ収集に係る技術的な不備からこれまでアプローチされてこなかった。 本研究では、これらの疑問に答えるべく、脳動脈瘤コイル塞栓術中に得られる一連の連続画像から、術中に得られる一連の連続画像において個々のコイルの形状やこれらの相互干渉を追跡し、可視化するため脳動脈瘤コイル塞栓術中に得られる一連の連続画像のうち、同時に撮影している対応している直交方向からの一組の画像ペアに対して、動脈瘤に充填されるコイルの三次元形状の復元を実現出来るプログラムの開発を行った。 開発したプログラムを用い、対応している直行方向からの一組の画像ペアに適用することで、簡易的ではあるが動脈瘤内に装填されるコイルの三次元形状の復元が可能となった。 このことから、瘤内で起こるコイル同士の干渉を把握し得る可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、コイル同士の相互干渉を可視化することが主題である。 開発したプログラムを用い、コイルの三次元形状を復元することで、瘤内に装填されるコイルの相互干渉などを把握することが出来る。 当初の計画通り、初年度はアルゴリズムの構築および実装が実現した。
|
Strategy for Future Research Activity |
どの様な条件で撮影された画像に対しても安定して動作するように、また、脳動脈瘤コイル塞栓術中に得られる一連の連続画像に対してリアルタイムに実行結果が出力できるようにアルゴリズムのアップデートを進め、臨床適用を目指す。
|
Causes of Carryover |
プログラムの開発と実装を同時に行う予定だったが、開発作業を先行して行ったため、実装に必要なコンピュータを購入するまでに至らなかった。そのため、次年度使用額が生じた。
|