2021 Fiscal Year Research-status Report
脳動脈瘤コイル塞栓術において個々のコイル形態をモニタリングする装置の開発
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19K09533
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
片山 豊 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 技術職員 (50817583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川原 慎一 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (60780260) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 三次元形状 / 画像再構成 / 放射線画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、脳動脈瘤に対するコイル塞栓術治療をより安全で効率の良く行うために、体内に挿入した塞栓用コイルを識別しながら、個々のコイルの形状やこれらの相互干渉を可視化することを目標としている。具体的な方法として、脳動脈瘤コイル塞栓術中の手技中に得られる一連の画像より、三次元形状の復元を実現できる事前学習を必要としない、コンピュータビジョンライブラリを用いたアルゴリズムの提案をおこなってきた。 事前学習が必要な人工知能技術を用いることで、コンピュータビジョンライブラリを用いたアルゴリズムより高精度な三次元形状の復元が実現する可能性がある。 しかし、医用画像は施設により大きく異なる。そのため、深層学習を用いたアルゴリズムの問題点の一つである学習用データと検証用データの不一致より性能を発揮できないドメインシフトが生じる可能性がある。 そのため、人工知能技術を用いず、また、事前学習を必要としない手法で解決することを考えている。 本課題で提案した手法は、脳動脈瘤コイル塞栓術の通常手技中に得られる対応している直行方向から撮影された一組の画像ペアに対して、三次元形状の復元が可能となるアルゴリズムを作成した。本課題は少数の投影データからの画像再構成タスクと言い換えることができる。 本課題で作成したアルゴリズムは深層学習を用いないアルゴリズムであるため、複雑な形状の復元は難しいが、ドメインシフトを考慮する必要がなく汎用性が高いと考えられる。本年度は、より複雑な形状を復元できる様にアルゴリズムのアップデートを行い、報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題は、少数の投影データからの画像再構成タスクと言い換えることができる。 当初予定していた二次元画像から三次元形状を復元する事前学習を必要とする人工知能技術を用いないコンピュータビジョンライブラリを用いたアルゴリズムの作成は完了している。 事前学習を必要としないコンピュータビジョンライブラリを用いたアルゴリズムを用い、今までよりも複雑な形状の復元が実現できるように、処理アルゴリズムのアップデートを行なった。アップデートにより、脳動脈瘤コイル塞栓術時のコイルの可視化のみでなく、様々な放射線画像に対して二方向の画像から三次元形状の復元が可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
近年、二次元画像から三次元形状を復元することを目的とした様々な人工知能技術が登場してきた。その中でもニューラルレンダリングと呼ばれる二次元画像から三次元シーンを復元することができるアルゴリズムが注目されている。 本課題は、医用画像処理を取り扱った課題である。 医用画像は施設により撮影装置や撮像方法が異なるため、得られる画像が大きく異なる特徴がある。 学習データと検証データの分布に相違があるとドメインシフトが生じる問題がある。そのため、本課題では、学習データを必要としない手法を用いて検討してきたが、高画質な三次元形状を復元できる可能性がある人工知能技術を取り入れた検討を今後行なっていく予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19 の流行に伴い学会が少なく、次年度使用額が生じた。
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