2019 Fiscal Year Research-status Report
Novel treatment for intracranial hemorrhage using amnion derived mesenchymal stem cells
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19K09539
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
吉村 紳一 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (40240353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 俊範 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (00452152)
内田 和孝 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (10570674)
白川 学 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (50425112)
山原 研一 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (50450888)
中込 隆之 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (80434950)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脳出血 / 羊膜由来幹細胞 / 間葉系幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、羊膜由来MSCを用いた脳出血モデルに対する神経機能改善を確認し、そのメカニズムを明らかにすることである。本研究ではMSCによる神経機能改善メカニズムを免疫反応に着目して検討し、さらに移植法を明確に静脈内投与と脳内局所投与に分け、静脈内投与では主に 免疫応答に与える影響を、脳内局所投与では免疫反応および神経分化の両者をメカニズムとして解析する。また脳内局所投与したMSCの神経分化ならびに残存する神経とのネットワーク構築までを評価する予定である。 本年度はマウス脳出血モデルを作成し、24と72時間後に羊膜由来MSCの静脈投与を行う投与時期と神経機能改善の関連を検討した。行動実験において、オープン水泳テスト、受動回避テスト、水迷路試験で羊膜由来MSCを投与すると溶媒投与群より改善を認めた。その改善は24時間後投与のほうが、より効果があった。これにより投与時間は我々が先行しておこなっていた研究と同様で24時間がよいと考えた。次に24時間後投与で細胞数を1個体 10^5個とその25%になる、2.5×10^4個投与で比較すると、10^5個投与でより改善を認めた。以上から脳出血作成後24時間後投与で細胞数は10^5個を基礎とすることとした。この細胞数は同細胞が現在ヒトへの臨床試験で用いる体重あたりの細胞数とほぼ同じ容量である。 神経機能改善メカニズムの解析として、フローサイトメトリーを用いた解析では脳内おいてCD11陽性かつCD45陽性細胞つまりマクロファージやミクログリアと考えられる細胞数が羊膜MSCを投与により減少していることがわかった。現在この機序を説明する因子の解析としてPCRならびWestern blottingを進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動物を用いた行動試験で細胞投与に関する投与時期の検討ならび投与量の検討をすでに終了し、至適条件のための基礎的データはそろったと考える。一番時間のかかるこれらの実験が終了しかつ、機序の解析にすすんでいる。今後静脈投与での研究後に局所投与と静脈投与での違いを検討するが、静脈投与が効果があるのであれば、投与方法の難易度が下がるため静脈投与中心とした、臨床に向けたデータ収集を主とする。
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Strategy for Future Research Activity |
フローサイトメトリーを用いた解析では脳内おいてCD11陽性かつCD45陽性細胞つまりマクロファージやミクログリアと考えられる細胞数が羊膜MSCを投与により減少していることがわかった。このことは脳出血で引き起こされた、炎症細胞の活性や浸潤を急性期に抑えている可能性がある。この機序を説明する因子の解析としてPCRならびWestern blottingを進めている。具体的にはiNOS,TNFα,IL1b等の炎症性マーカ-ならびアルギニン-1やCD163などの抗炎症性マーカー等の発現や抑制を検討中である。作用機序について実験が終了後、脳出血に対する羊膜由来MSCの静脈投与に関して、本年度中に英文誌へ投稿し採択まで完了する予定である。
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Causes of Carryover |
羊膜由来MSCの脳内局所投与についての動物実験を来年度以降に行う予定としたため、マウス購入費が我々の予想より少なくなった。この動物実験でのマウス購入費だけでも約30万程度必要と考える。一方静脈投与における分子生物学的実験を先行し、フローサイトメトリーや免疫染色・Western blottingに使用する抗体、PCRに使用するプライマーならびこれらの実験に必要な消耗品を買ったため、これらの当初予定していた以上の物品費となり、次年度使用額が上記の13万程度となった。次年度、マウス購入費で使用する予定である。
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