2021 Fiscal Year Annual Research Report
後縦靭帯骨化症における肥満/耐糖能異常に関連する遺伝素因と環境因子の探索
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19K09566
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
遠藤 努 北海道大学, 医学研究院, 特任助教 (90805293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高畑 雅彦 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (40374368)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 後縦靭帯骨化症 / 肥満 / 遺伝子 / ゲノムワイド相関解析 / 2型糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
脊柱後縦靭帯骨化症(OPLL)は、過去にゲノムワイド相関解析(GWAS)を含む数々の研究がなされてきたが、病因は未だ不明な点が多い。OPLLと他形質、特に2型糖尿病(T2D)、肥満度(BMI)との関連が注目されているが、因果関係は証明されていなかった。本研究では、規模を拡大したGWASと遺伝統計学的アプローチにより、OPLLの新たな病因を発見することを目的とした。 3コホートから成り立つOPLL患者2,010人を含む日本人22,016人を対象としGWASメタ解析を行った。さらにOPLLを頚椎・胸椎OPLLに分類し、サブタイプでのGWASメタ解析を行った。GWASメタ解析結果と既報の日本人99形質のGWAS要約統計量を用い、OPLLと他形質との遺伝的相関(GC)を算出した。有意なCGの示された形質に対し、メンデルランダム化解析(MR)を行い、形質とOPLLとの因果関係を評価した。また、BMIの遺伝的リスクスコア(PRS)を作成し、OPLLサブタイプ間での効果量を比較した。 GWASメタ解析で14の有意な遺伝子領域を同定した。うち8つは新規領域であり、TMEM135、WWP2など骨代謝と関連する候補感受性遺伝子を同定した。さらに、頚椎OPLLで3領域、胸椎OPLLで8領域の有意な遺伝子領域を同定した。GCはT2D、BMIと正の相関、脳動脈瘤、骨粗鬆症と負の相関を示した。MRにより高BMI、高骨密度とOPLLに有意な因果関係が示された。しかし、T2Dとの因果関係は示されず、既報のT2DとOPLLの関連には高BMIの交絡が示唆された。BMI-PRSの効果量は頚椎OPLLと比較し、胸椎OPLLで有意に高かった。 【考察および結論】OPLLの新規遺伝子領域が同定され、治療介入可能な形質であるBMIとの因果関係が示された。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Association Between Vitamin A Intake and Disease Severity in Early-Onset Heterotopic Ossification of the Posterior Longitudinal Ligament of the Spine2021
Author(s)
Tsutomu Endo, Shiro Imagama, Satoshi Kato, Takashi Kaito, Hiroaki Sakai, Shiro Ikegawa, Yoshiharu Kawaguchi, Masahiro Kanayama, Yuichiro Hisada, Yoshinao Koike, Kei Ando, Kazuyoshi Kobayashi, Itaru Oda, Kazufumi Okada, Ryo Takagi, Norimasa Iwasaki, Masahiko Takahata
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Journal Title
Global Spine Journal
Volume: -
Pages: 1~11
DOI
Open Access
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