2020 Fiscal Year Research-status Report
ARシグナルの遮断によって活性化する前立腺癌増悪因子の探索と転移指向性の解明
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19K09707
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
野原 隆弘 金沢大学, 附属病院, 助教 (20733372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝上 敦 金沢大学, 医学系, 教授 (50248580)
泉 浩二 金沢大学, 附属病院, 講師 (80646787)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / 去勢抵抗性 / 内臓転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
アンドロゲン除去療法は、数年後には去勢抵抗性前立腺癌となり無効となることが多い。去勢抵抗性前立腺癌に対する強力なアンドロゲン受容体シグナル阻害薬の使用頻度の増加とともに、これまでほとんど見られなかった肝転移がしばしば見られるようになった。本研究では、アンドロゲン受容体シグナルの活性化で抑制され、かつ前立腺癌細胞を活性化するシグナルを同定し、その制御機構と特異的な転移指向性を引き起こす機序を解明する。新規アンドロゲン受容体シグナル阻害薬が明らかに肝転移の増加に寄与しており、肝転移は肺転移と異なり内臓転移の中でもとりわけ予後を悪化させていることが明らかになった。アンドロゲン依存性を残す去勢抵抗性ヒト前立腺癌細胞株C4-2Bを用いてコントロールC4-2B (NC-C4-2B)とアンドロゲン受容体ノックダウンsiAR-C4-2Bのmicro RNA変化を比較した。エクソソーム内micro RNAについては前年に明らかにしたが、発現変化がそれほど大きくなく、エクソソーム量が限られていることから、癌細胞そのものにおけるmicro RNA変化にターゲットを絞ることとした。siARによって発現が低下したmicro RNAで主なものは以下であった:miR-205, miR-31, miR-449a。しかしこれらmimicをsiAR-C4-2Bに作用させても表現型に大きな変化が認められなかった。そこで再度異なるmicro RNAを含むarrayを行い、miR-124を有望なターゲットとして見出した。miR-124はdihydrotestosteroneで誘導がかかり、siAR-C4-2Bにおいてmimicを作用させると、遊走能が低下した。さらにCCL2のルシフェラーゼアッセイではmimicによって低下が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3年間の予定を100%とした場合、80%程度と考えられる。アンドロゲン受容体シグナルによって抑制されているmicro RNAとこれが制御している自己分泌作用を及ぼす分泌蛋白を同定し、このmicro RNA阻害による表現型の変化も確認しており実験は順調に進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、miR-124の他に去勢抵抗性前立腺癌細胞に対し、同様の機能を及ぼしうるmicro RNAを探索する。また複数の前立腺癌細胞株によって再現性を確認する。
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Causes of Carryover |
予定していた抗体を購入していないため残額が生じている。分泌蛋白であるCCL2の分泌量の測定をELISA法によって行う予定であり、残額を充てる予定である。
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Research Products
(1 results)