2019 Fiscal Year Research-status Report
スギ花粉症に対する経口免疫寛容機序の解明と新規創薬標的分子の探索
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19K09912
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
村上 大輔 九州大学, 大学病院, 講師 (80568965)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 経口免疫療法 / スギ花粉症 / マウスモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
当研究室で確立したスギ抗原‐ガラクトマンナン複合体を用いた経口免疫療法マウスモデルを用いて実験を行った。 コントロール群と比較して免疫療法群で頸部リンパ節、脾臓T細胞からの抗原特異的IL-4 ,IL-5産生が低下は認められたが予想に反してコントロール群と比較して免疫療法群において腸間膜リンパ節でのT細胞からの抗原特異的IL-4 ,IL-5産生の低下は認めらず産生量は同同等であった。またIL-13の産生に関してはコントロール群と比較して免疫療法群で頸部リンパ節、脾臓T細胞からの産生量に差はなかった。一方で腸間膜リンパ節でのT細胞からの抗原特異的IL-13の産生は予想に反してコントロール群と比較して免疫療法群で産生増加が認められた。IFN-γの産生に関してはコントロール群と比較して免疫療法群で頸部リンパ節、脾臓T細胞からの産生量に変化はなかった。一方で腸間膜リンパ節でのT細胞からの抗原特異的IFN-γの産生は増加傾向にあった。 次に腸間膜リンパ節においてフローサイトメトリーを用いてコントロール群と比較して免疫療法群で抑制性のT細胞の増加が認められるかCD4+CD25+Foxp3+制御性T細胞の分画の解析を行ったがコントロール群と比較して免疫療法群でその分画に明らかな差は認められなかった。そのため臓器における特異性も考えられるため現在、他の臓器、脾臓や鼻粘膜でもCD4+CD25+Foxp3+制御性T細胞の分画において変化がみられるか引き続きフローサイトメトリーを用いて解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、CD4+CD25+Foxp3+制御性T細胞の分画の解析を行っているがコントロール群と比較して免疫療法群で腸間膜リンパ節では分画の増加は認められず、他の臓器、脾臓や鼻粘膜でもCD4+CD25+Foxp3+制御性T細胞の分画の変化を確認する必要がある。 またコントロール群と比較した免疫療法群の特異的サイトカイン産生量に関しても当初の予想に反し、脾臓や頸部リンパ節においてT細胞特異的なIL-13産生量に変化がなく、むしろ腸管リンパ節ではIL-13産生量の増加が認められた。今回用いた実験系ではwholeの細胞を用いてサイトカイン産生能を比較しており、このサイトカイン産生がT細胞のみによるものか周囲の樹状細胞などの環境の変化によるものなのかを明らかにする必要もあり、研究のターゲットととしているCD4+CD25+Foxp3+制御性T細胞の機能解析まで研究が進捗していない状況である。 また2020年1月からの新型コロナウイルス感染症の流行のため、学会発表や施設での実験ができない状態で今後も研究の遅れが予想される。
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Strategy for Future Research Activity |
1.CD4+CD25+Foxp3+制御性T細胞の分画の解析を行っているがコントロール群と比較して免疫療法群で腸間膜リンパ節では分画の増加が認められなかったため、他の臓器、脾臓や末梢の鼻粘膜でもCD4+CD25+Foxp3+制御性T細胞の分画の確認を行う。 2.コントロール群と比較した免疫療法群の特異的サイトカイン産生量に関しても当初の予想に反し、脾臓や頸部リンパ節においてT細胞特異的なIL-13産生量に変化がなく、むしろ腸管リンパ節ではIL-13産生量の増加が認められた。このサイトカイン産生がT細胞のみによるものか周囲の樹状細胞などの環境の変化によるものなのかを明らかにするためT細胞あるいはCD4T細胞をenrichし、T細胞自体によるものか周囲の環境によるものかを明らかにする。 3.さらにIL-13産生細胞の探索と研究のターゲットととしているCD4+CD25+Foxp3+制御性T細胞の機能解析を行う。
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Causes of Carryover |
本年度はCD4+CD25+Foxp3+制御性T細胞の機能解析まで予定していたが、2019年5月から12月までの期間に十分な研究時間を取ることができなかった。当該年度で行った研究は他の研究費から費用を支出し、2020年からの実験で予算を執行する予定であったが2020年1月からの新型コロナウイルス感染症の流行のため研究機関が現在使用できない状態で年度末に予定していた物品の購入、マウスの購入を停止している状態である。またそれに伴い計画していたマウスも用いた新規の実験ができない状態となっている。さらに参加を予定していた各学会も延期または中止となっている状態で予定していた予算を執行できていない。 今後の新型コロナウイルス感染症の流行の終息について予測することは難しいが実験施設の再開とともに前年度に予定してた物品の購入と実験で使用するマウスの購入を行う予定である。また学会参加のための旅費については前年度から本年度に延期となっている学会もあり、前年度の旅費についてはそちらに使用する予定である。
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