2019 Fiscal Year Research-status Report
Basic research for the optimization of suprachoroidal buckling - a novel minimally invasive surgery for retinal detachment
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19K09973
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
小嶋 健太郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40554762)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 裂孔原性網膜剥離 / 低侵襲手術 / 上脈絡膜腔 / 脈絡膜 / ヒアルロン酸製剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
上脈絡膜腔バックリング手術は強膜と脈絡膜の間に存在する上脈絡膜腔に充填物質を注入することにより網膜と脈絡膜のみを内陥させる新規的術式で裂孔原性網膜剥離に対する低侵襲治療として近年その有効性が報告されている。この手術は有望である一方で、一般化に向けた課題として術式に最適化された充填物質および術式に最適化された手術器具の研究の必要性が明らかになってきている。本研究では上脈絡膜腔バックリング動物実験モデルを用いて上脈絡膜腔バックリング手術に用いる充填物質と手術器具の最適化に向けた基礎研究を行う。 動物実験モデルで候補となるヒアルロン酸製剤の滞留期間および安全性を評価し、最適なヒアルロン酸製剤を探索した。上脈絡膜腔バックリング手術の家兎動物実験モデルでヒアルロン酸製剤の上脈絡膜腔充填による滞留期間および安全性を確認した。ヒアルロン酸製剤は専用の先端がオリーブ型のカニューラにて脈絡膜血管を損傷することなく安全に注入可能であった。6ヶ月時点でOCTによる隆起高と容積解析で評価した結果、充填ヒアルロン酸製剤の種類により滞留期間に大きな差を認め、2週間から6ヶ月であった。物理的圧排による脈絡膜循環の低下を認めたが、網膜障害等の副作用は6ヶ月の結果観察期間では認めなかった。上脈絡膜腔バックリング手術に適合したヒアルロン酸製剤の選定を進めることが出来たが、本邦で認可されている他の長期滞留型ヒアルロン酸製剤の候補についても検討する余地が残っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた上脈絡膜腔バックリング手術上脈絡膜腔バックリング手術に適合したヒアルロン酸製剤の選定を進めることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
動物実験モデルで候補となるヒアルロン酸製剤の滞留期間および安全性を評価し、最適なヒアルロン酸製剤の選定を継続するとともに、上脈絡膜腔薬剤デリバリー用マイクロ注入針を応用した、裂孔存在部位の強膜上から直接刺入して充填物質を上脈絡膜に注入 することが可能な新たな「裂孔原性網膜剥離用の上 脈絡膜腔充填物質注入針」の開発を行う。この器具について実用性についての予備的検証実験を家兎動物実験で施行し、ヒアルロン酸の安全な注入に必要な針の内腔と長さを検討しデザインの最適化を行う。有効性について従来カテーテル法と比較実験をそれぞれ上脈絡膜腔バックリング手術の家兎動物実験モデルにより行う。
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Research Products
(2 results)