2021 Fiscal Year Annual Research Report
ストレッチ刺激に対するケロイド由来線維芽細胞の病的カルシウムシグナル応答の解明
Project/Area Number |
19K10009
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
峯田 一秀 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (70747815)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ケロイド / ケロイド由来線維芽細胞 / 細胞内カルシウムイオン濃度 / 病的カルシウムシグナル応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
ケロイド由来繊維芽細胞(K-FBs; N=4)と正常真皮由来繊維芽細胞(N-FBs; N=4)に繰り返しストレッチ刺激(4分30秒、12回/分、ひずみ量10%)を負荷しながら、0.5秒毎に共焦点レーザー顕微鏡でリアルタイム撮影した。K-FBsではN-FBsより細胞応答率と細胞内Ca2+濃度のピーク値が有意に高く、ROC解析からK-FBs内に細胞内Ca2+濃度が正常範囲を超えて過剰上昇する病的集団(約10%)を発見し論文報告した(in press)。また、長時間リアルタイム蛍光観察(30分間)の結果、このケロイド特異的亜集団ではCaオシレーションの振幅が大きく、頻発することが判明し、口頭発表を行った(誌面投稿準備中)。 そこで、約10%のケロイド特異的亜集団における細胞内Ca2+濃度の一過性過剰上昇の原因を探索するために、single-cell RNA sequencingを行ったところ、様々な外的刺激で発現するTRP(transient receptor potential)チャネルで、下記のような結果が得れれた。 K-FBsあるいはN-FBsの検出総細胞数のうち1%以上発現したTRPチャネルは、TRPP2(K-FBs 29.5% vs N-FBs 30.2%)、TRPC1(8.5% vs 10.4%)、TRPC4(3.3% vs 3.7%)、TRPM4(4.8% vs 8.3%)、TRPM7(19.6% vs 22.7%)、TRPML1(25.7% vs 25.0%)、TRPML3(2.0% vs 4.0%)、TRPV1(1.1% vs 1.4%)、TRPV2(11.5% vs 2.3%)であった。このうち、TRPV2のみK-FBsで有意に発現が多く、それ以外はN-FBsで有意であり、Keloid-TRPV2(+)がケロイド特異的亜集団である可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)