2019 Fiscal Year Research-status Report
A high-density collagen devise for oral surgery
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19K10167
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
青木 茂久 佐賀大学, 医学部, 准教授 (10448441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹澤 俊明 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 主席研究員 (50301297)
合島 怜央奈 佐賀大学, 医学部, 助教 (30756143)
山下 佳雄 佐賀大学, 医学部, 教授 (50322300)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 舌粘膜再生 / 瘢痕抑制 / 抗線維化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度、口腔組織の再生を最適化するデバイス実現に向けた作用機序の解明と治療効果の高性能化を目指して研究を実施した。 1) 口腔粘膜再生デバイス作製:貼付型の口腔粘膜再生デバイスとしての① 製品の品質(コラーゲン量、添加物)および② 至適デバイス強度について様々な条件を設定・評価を行った。検討の結果、最終的に2種類のデバイスのプロトタイプを作製した。 2) ウサギ粘膜欠損モデルを用いたデバイス治療効果の評価:ウサギ(日本白色種、牡、体重3.0-3.5 kg)の舌粘膜に、10 x 10 x 2 mmの粘膜欠損を作製後、粘膜切除部にデバイスを貼付した。貼布したデバイスは吸収性縫合糸を用いて周囲粘膜に固定する。この際、デバイス形状の違いによる操作性、固定方法の違いによる貼付性を評価した。デバイス治療後、2週目に当該動物の安楽死を実施した後に、舌組織を摘出し、粘膜切除部の組織学的状態、貼付デバイスの変化、線維化の有無等、その詳細について病理学的に評価した。 非貼付群と比較し、デバイス貼付群では、舌粘膜の上皮化が促進され、線維化、炎症細胞浸潤の程度が軽減した。 3)デバイスの生物学的作用解析:上記で採取された組織サンプルに対し、筋線維芽細胞の出現度合い、線維化蛋白の発現を免疫染色にて評価した。非貼付群と比較し、デバイス貼付群では、再生上皮下でのαSMA陽性細胞の出現が抑制され、線維化領域でのCTGFの発現が弱い結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予備実験段階において、当初想定していた製品形状では性能的に改良すべき点が判明したため、直ちに改良型の口腔粘膜再生デバイスを作製した。この改良型デバイスの貼付実験では、予想された結果と同等の治療効果が得られた。本年度は、このデバイス使用による性能評価を実施している。従って、研究進捗に遅れはなく、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
1)デバイスの生物学的作用解析:TGF-β, PDGF, MMP, TIMPに関連する蛋白発現をWestern blotにて解析する。さらに遺伝子網羅的解析を行う。この知見を基に、時間経過に伴う組織再生のプロファイルを確認すると共に、性能向上が期待できる分子を絞り込む。治療ターゲットとなる分子をReal-time PCR, Western blottingで検証し、付与する薬物(生理活性物質)を決定する。 2)最終型の薬剤付与デバイス作製:ハンドリングに優れた形状と、狭窄抑制作用薬を含有した改良型の薬剤付与デバイスを作製する。 3)最終型デバイスの評価と再発病変の検討:ウサギ舌粘膜欠損モデルを用いて、改良型デバイスの治療効果及び操作性を確認する。創部における治療ターゲット分子への影響を解析する。
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