2019 Fiscal Year Research-status Report
経口栄養の重要性を腸内細菌叢から再確認する-摂食嚥下障害と全身の健康について-
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19K10221
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
戸原 玄 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (00396954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲次 基希 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (00422486)
片桐 さやか 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (60510352)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 腸内細菌叢 / 摂食嚥下訓練 / 口腔内細菌叢 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトの腸管には多様な腸内細菌が生息し、これらの細菌は複雑な微生物生態系を形成しており、これを腸内細菌叢とよぶ。腸内細菌叢のバランスが崩れると、個体の免疫機構の異常、糖尿病など様々な疾患の発症および進展に影響することが報告されている。一方、高齢者の摂食嚥下障害への対応が重要視されている。 脳卒中の亜急性期に経管栄養となり、その後、摂食嚥下訓練を受け経口摂取となった8名を対象に研究を行った。唾液と便を、摂食嚥下訓練前の経管栄養時および摂食嚥下訓練によって、経口栄養となった後に採取した。経口栄養を再獲得することにより、口腔内および腸内細菌叢の多様性が増加し、細菌叢の組成が変化していることを見出した。加えて、Carnobacteriaceae科とGranulicatella属の細菌量が経口食物摂取の再開後、口腔および腸内の両方で増加していた。また、細菌同士の相関関係を示したネットワーク構造も、経口栄養の再獲得後には口腔内および腸内ともに、ひとつのネットワークに、より多くの細菌が関わるように変化した。機能予測解析の結果から、経管栄養時と比較して、経口栄養時により発現しうる代謝経路があることが明らかになった。摂食嚥下障害の患者に対する摂食嚥下訓練は、口から食べられるように機能を回復するだけではなく、口腔内と腸内の細菌叢の多様性を増加させ、微生物群集の組成およびその共起ネットワーク構造を変化することを見出した。腸内細菌叢が様々な疾患に影響することは広く知られているが、本研究は、経口栄養の再獲得が、全身の健康の維持にも重要であることを細菌学的な見地から示した発見であり、今後の医療戦略を考える上で意義のある成果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に基づき、ヒトを対象とした臨床研究のpilot studyは終了した。本研究結果は、Front Cell Infect Microbiol. 2019;9:434.に掲載された。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒトを対象とした臨床研究は、被験者数を増やして継続する。また、動物モデルに関しては現在モデルの作成中である。
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Causes of Carryover |
動物実験が当初計画より遅れており、分子生物学的な解析に必要な試薬の一部の購入を次年度に見送ったため。次年度に試薬を購入予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] Re-initiation of oral food intake following enteral nutrition alters oral and gut microbiota communities2019
Author(s)
Sayaka Katagiri, Takahiko Shiba, Haruka Tohara, Kohei Yamaguchi, Koji Hara, Kazuharu Nakagawa, Keiji Komatsu, Kazuki Watanabe, Yujin Ohsugi, Shogo Maekawa, Takanori Iwata.
Organizer
第84回 口腔病学会学術大会
Invited