2019 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of fusion gene of salivary gland carcinogenesis and explore the molecular target agents
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19K10277
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
野口 一馬 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (50309473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 友紀 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (00340977)
山根木 康嗣 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (00434944)
柳本 惣市 長崎大学, 病院(歯学系), 講師 (10315260)
岸本 裕充 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (30291818)
鵜澤 成一 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (30345285)
中野 芳朗 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (30360267)
長谷川 巧実 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (50546497)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 唾液腺癌 / 融合遺伝子 / 培養細胞 / オルガノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
唾液腺癌は口腔癌全体の約1割程度の発生頻度であるが、発癌メカニズムや分子生物学的解析はほとんど行われていない。その理由として口腔扁平上皮癌と比較して発生頻度が少ないだけでなく、細胞の増殖速度が遅く、増殖因子も多岐にわたっており、細胞培養が困難であるためである。研究代表者は唾液腺癌の継代可能細胞を樹立するシステムを確立した。この方法を用いて多施設より唾液腺癌組織を受け入れ、継代可能細胞を作成し、従来不明な点が多かった唾液腺癌の分子生物学的性質を解明し、分子標的薬の開発につなげていくことを目的とする。研究代表者はすでに多形腺腫由来癌・腺様嚢胞癌・粘表皮癌の手術組織より15継代程度の培養可能な患者由来細胞株およびオルガノイド作成に成功した。本年度で3例の粘表皮癌を経験し、CRTC1-MAML2融合遺伝子の関与を解析した結果、3例中2例で、CRTC1-MAMLの存在が明らかになった。この3例は病理組織学的にlow gradeに分類され、CRTC1-MAML2融合遺伝子の発現と病理組織学的性質の関連を示唆するものであった(投稿準備中)。さらに1例で患者由来細胞株とオルガノイドの作成に成功し、シグナル伝達経路の解析やRN-seqを行った。その結果はすでにMolecular and Clinical Oncologyに投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
唾液腺癌の発生頻度は頭頸部癌全体でも4~5%程度であり、患者数の少なさから研究が順調に運ぶかが課題と考えていたが、当科だけで6例の唾液腺癌患者より資料の提供を頂き、うち5例は現在解析中である。最も進んでいるのが上記に記載した粘表皮癌である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は粘表皮患者由来細胞株およびオルガノイドの継代・汎用化を進めるとともに、他の唾液腺癌における融合遺伝子の解析を進める。また研究協力施設からの組織の搬送(輸送時間における組織の自己融解に対する保存手法の開発)にもトライし、日本国内で応用可能な唾液腺バンクの構築につながれば良いと思う。
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Causes of Carryover |
年度末よりCOVID-19感染症により海外からの抗体や研究試薬の搬送が難しくなったため、一部残金が生じたが、研究自体は順調に進んでおり、本年度内に使用予定である。
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Research Products
(4 results)