2021 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of fusion gene of salivary gland carcinogenesis and explore the molecular target agents
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19K10277
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
野口 一馬 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (50309473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 友紀 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (00340977)
山根木 康嗣 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (00434944)
柳本 惣市 長崎大学, 病院(歯学系), 講師 (10315260)
岸本 裕充 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (30291818)
鵜澤 成一 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (30345285)
中野 芳朗 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (30360267)
長谷川 巧実 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (50546497)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 唾液腺癌 / 融合遺伝子 / 発癌メカニズム / 新規分子標的薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
兵庫医科大学 歯科口腔外科学講座で病理組織学的に診断し、外科的に加療した唾液洗顔における融合遺伝子の検討を行った。遺伝子解析までに至った症例は粘表皮癌3例、腺様嚢胞癌1例、多型腺腫由来癌1例である。いずれの唾液腺癌も過去の報告より有力とされる融合遺伝子の存在が示唆されており、PCR法および sanger法を用いて融合遺伝子の存在を解析した。粘表皮癌ではCRTC1-MAML2またはCRTC3-MAML2の融合が発癌と示唆されているが自検例では2/3にCRTC1-MAML2の発現を確認した。このうち1例より、細胞を試み、培養細胞株化に成功した。さらに粘表皮癌にはこれまで報告されていなかった新たなバイオマーカー候補の存在をRNAシークエンスから見つけ出し、病理組織学的な意義について検討した。 腺様嚢胞癌および多型腺腫由来癌においても融合遺伝子の存在は明らかになりつつあり、これらについても融合遺伝子の関与を検討したが、我々が行なった2例とも融合遺伝子の存在は確認されなかった。これらの結果より唾液腺発癌において融合遺伝子の関与は一部の白血病のように全てではないものの、関与をしていることが明らかになり、融合遺伝子が発癌に関与しているものについては将来、分子標的治療の対象となり得ると考えられ、唾液腺癌に対する遺伝子解析の重要性を示唆しているものと思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本学耳鼻咽喉科・頭頸部外科の協力もあって症例としては病理組織学的解析が可能な症例があり、病理組織学的解析が実施できたことから概ね順調に進んでいる。 ただしもう一つの研究の柱である他学からの組織の受け入れと遺伝子解析および細胞培養株の樹立は、新規の臨床研究法が施行され治療施設外での遺伝子解析 がハードルとなっていること、コロナ禍で他施設への腫瘍組織の回収が難しいことから、当大学以外との培養の実施などの協力には至っていない。現在1編の原著論文が採用され、さらにもう1編の論文が投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
粘表皮癌の予後と相関する新規バイオマーカーを発見したので新規分子標的治療の候補をしぼり込む計画である。 さらに粘表皮癌患者の血液中に本バイオマーカーが存在するかを検討したい。また、切除組織の搬送および遺伝子解析がボトルネックとなっており、完全匿名化された病理組織切片より腫瘍のDNAおよびRNAを抽出して解析を進めるマイクロ ダイセクション法が兵庫医科大学共同利用研究施設に設置されたので、この装置を用いて本学における過去の検体,さらに他学の検体を用いた解析を進めていく。まずは現在投稿中の1編の採用に注進する
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Causes of Carryover |
現在、今回の成果を投稿中の論文が3編あり、うち1編は無事採択された(科研の継続申請時点では採択されていなかった)。さらに2編の論文がreview中であり、いずれも本年度中に掲載予定である。そのため、差額は論文の投稿費・印刷代として使用予定である。
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Research Products
(4 results)