2021 Fiscal Year Annual Research Report
骨代謝因子OPGが担う免疫寛容制御とカンジダ症の発症・増悪機序の解明
Project/Area Number |
19K10343
|
Research Institution | Ohu University |
Principal Investigator |
小林 美智代 奥羽大学, 歯学部, 講師 (80316265)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 直哉 北海道大学, 創成研究機構, 助教 (30466429)
奥村 一彦 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (60194510)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | Osteoprotegerin / RANKL / RANK / candida albicans |
Outline of Annual Research Achievements |
骨代謝と免疫系は多くの制御因子を共有しており、免疫系の異常が骨代謝因子RANK/RANKL/OPGを介して骨破壊を促すことが報告されている。しかし、逆に、加齢などにより血中や組織などで量的に変化する骨代謝因子が免疫系に関与するかについて不明な点が多い。そこで本研究では、高齢者に罹患率が高い内因性感染症である口腔カンジダ症の発症・増悪の機序に、骨代謝因子の量的変化が影響を与えている可能性を検証することを目的とした。 ICRマウスにテトラサイクリンを飲水させ、4日後に口腔内にC. albicansを感染させ、舌組織のサイトカインmRNA発現量を測定した。その結果、感染後の舌組織において炎症性サイトカインIL-12、 IL-23、抑制性サイトカインIL-10および制御性T細胞の分化・機能発現に重要なFoxp3 mRNAの経時的な増加が認められた。それと共に、RANKL、RANK、OPGのmRNA発現量の上昇も認められた。さらに、可溶性RANKL (sRANKL) の舌への注射により、C. albicansに感染した組織でのRANKおよびIL-10 mRNAの上昇が認められた。これはsRANKLが局所的な炎症抑制に関与することを示唆する。 これら本研究の結果は、RANK/RANKL/OPG骨代謝因子がC. albicans感染の病態に寄与すること、そしてさらに加齢による骨代謝因子の組織内の量的変動が、内因性感染症であるC. albicansの発症に関与している可能性を示唆する。本研究結果は高齢者のC. albicans 感染を制御しQOLを高かめて国民の健康寿命を延伸するうえで有益な結果であると考える。
|