2020 Fiscal Year Research-status Report
Verification of inhibitory effect of atherogenesis on arteriosclerosis with a novel nasal adjuvant.
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19K10474
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
三宅 達郎 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (40200141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 宏介 徳島大学, 歯学部, 教授 (50283792)
土居 貴士 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (20388375)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 動脈硬化 / 経鼻投与 / DNAワクチン / 抗体 / T15 idiotype / アテローム沈着抑制 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、新たな経鼻投与型DNAアジュバントを用い、ホスホリルコリン(PC)抗原とともにマウスに経鼻投与した時、粘膜部および全身系においてPC抗原特異的抗体が誘導されること、またその誘導される抗体が、アテローム性(粥状)動脈硬化(AS)のプラーク(アテローム)形成抑制能を有するホスホリルコリン(PC)抗体(T15 idiotype)であることを検討する。さらに、同ワクチン投与をAS疾患モデルマウス(ApoEノックアウトマウス;ApoE KOマウス)に経鼻投与 した時、大動脈部におけるアテローム沈着形成を抑制することを検証することである。本研究成果は虚血性心疾患、脳卒中の最大の原因であるアテローム性動脈硬化(AS)を予防もしくは治療を目的とする経鼻ワクチンの開発につながるものである。 次年度である2020年度は、同経鼻ワクチンを動脈硬化モデルマウスであるApoE KOマウスに経鼻投与を行なった。PC抗原のみを投与した対照群と比較して、 1)鼻腔洗浄液中PC抗原特異的IgM、IgA抗体価、また、血漿中IgM抗体価の有意な上昇が認められ、また、鼻咽腔関連リンパ組織(NALT)、鼻腔粘膜固有層(NPs)のIgM、IgA抗体産生細胞数、脾臓中のIgM抗体産生細胞数の有意な増加が認められた。さらに誘導された抗体価の持続期間を観察したところ、約6ヶ月の抗体価上昇の維持が認められた。 2)その誘導抗体がホスホリルコリン(PC)抗体(T15 idiotype)であることを検証するために、抗T15 idiotype抗体であるAB1.2抗体との結合実験を行ったところ、鼻腔洗浄液中PC抗原特異的IgM、IgA抗体、血漿中IgM抗体と濃度依存的に結合することが認められた。 3)本経鼻ワクチン最終投与12週後の大動脈部のアテローム沈着を形態学的に観察したところ、有意なアテローム沈着抑制が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2020年度においては、同経鼻ワクチンを動脈硬化モデルマウスApoE KOマウスに投与し、鼻腔洗浄液、血漿中の抗体価誘導、またNALTおよびNPs、脾臓における抗体産生細胞数が上昇することを確認した。 また、その誘導抗体がホスホリルコリン(PC)抗体(T15 idiotype)であることを検証するために、T15 idiotype抗体であるAB1.2抗体を用いた結合実験では、鼻腔洗浄液中PC抗原特異的IgM、IgA抗体、血漿中IgM抗体と濃度依存的に結合することが認められ、誘導抗体がT15 idiotypeであることを間接的に証明した。 また、同モデルマウスのワクチン投与後のアテローム沈着を形態学的解析(組織切片のoil Red 0染色)をすることにより、有意なアテローム沈着抑制が認められたが、このことは歯周病原菌の口腔感染により加速されるアテローム沈着を抑制することができるのかという、2021年度に予定している実験に対する予備実験にもなり、2021年度の研究が円滑に進むものと考える。また、2021年度は、本ワクチンのアテローム沈着抑制機能を探るため、免疫細胞の関連遺伝子発現などを解析するという、当初の予定にはない計画も進めることができると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
同経鼻ワクチン投与後の歯周病原菌口腔感染させたApoE KOマウスを用いることにより、アテローム沈着抑制効果が認められるのかを組織切片のoil Red 0染色だけでなく、マイクロフォーカスX線CTを用いることにより観察を行う。また、当初の申請内容については完遂できる予想から、血漿中のIL-1αやTNF-α、CRPといった炎症性マーカーや、コレステロール関連物質であるoX-LDLやPAI-1を解析を行い、本経鼻ワクチンによる結晶中成分に与える影響を調べたい。また、本経鼻ワクチンに使用するアジュバントは抗原提示細胞である樹状細胞を増加、活性化することから、樹状細胞とT15 idiotypeを産生すると考えられているB1-B細胞との細胞ー細胞間シグナルについて解析を進めることも予定している。
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Causes of Carryover |
当初、誘導された抗体の遺伝子解析を行うことで、本経鼻ワクチンにより誘導された抗体がT15 idiotypeであることを検証することを試みたが、抗T15idiotype抗体(AB1.2抗体)による実験により、間接的に証明することができた。このことから、時間的、経費的節約が可能となり、2021年度は当初の申請内容だけでなく、免疫細胞間シグナリングに関する研究を可能とすることから、更なる実験動物の購入費および飼育費、そして、試薬代金として使用する予定である。
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Research Products
(3 results)