2020 Fiscal Year Research-status Report
Current situation and influential factors access to health-related resources among foreign residents in Japan
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19K10563
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
樋口 倫代 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (00547557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
サロンガ レジナルドバヤニ 名古屋市立大学, 高等教育院, 語学講師 (10831018)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 外国人 / 保健医療アクセス / 保健医療情報 / 健康の社会的要因 / ソーシャルサポート / 健康における公平性 / ユニバーサルヘルスカバレッジ |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、既にデータ収集準備が完了していた調査1および調査2について、コロナウィルス感染状況を見極めながらデータ収集を実施し、分析が終了した。 調査1は、愛知県内の自治体を対象に、保健医療情報提供と健康支援の状況を明らかにし、またそれに伴う困難は何かを探ることを目的とし、25自治体より回答を得た。回答のあった自治体は、情報提供や健康支援について母子保健を中心に多言語対応しており、公式ウェブサイトの多言語化、現場における多言語使用、通訳の配置、機械通訳/翻訳などさまざまな手段が取られていた。しかし、現場における対応については、これら多言語手段を介しても説明がむずかしいことや、理解が確認できないことよる困難を抱えていることがうかがわれた。調査2は、ベトナム人を対象に、彼らの保健医療へのアクセスとソーシャルサポートおよびその他の要因との関連を明らかとすることを目的とし、360人より回答を得た。情緒/情報的ソーシャルサポートが低い人ほど、また日本語での会話力が低い人ほど、受診抑制のオッズが有意に大きいことが明らかとなった。調査2は学会報告を行い、また両調査とも学術論文執筆中である。 関連して、昨年度急遽開催を中止した第2回「愛知県で生活する外国人の保健医療アクセスを考える」フォーラムを2021年2月にオンランで実施、他の関連調査とともに、調査1、2の結果を調査協力者、関係者らに報告した。さらに、2021年度5月ごろの完成をめざして2種類の調査報告書を作成中である。 昨年度からのコロナウィルス感染蔓延により、調査1、調査2のデータ収集の開始時期を遅らせざるを得なかった。調査を控えていた間は、関連する先行調査を再分析し学術論文を執筆した。1論文がアクセプトされ、1論文が査読中、1論文が投稿間近となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年度末頃からのコロナウィルス感染蔓延の影響で、対象者、調査協力者に調査協力依頼をすることが難しくなっていた。すなわち、調査1の対象である自治体はコロナウィルス感染対策業務に忙殺されていたため業務外となる調査依頼がはばかられ、調査2の対象である外国人(ベトナム人)については日本語教室、日本語学校に協力依頼をしていたが、しばらく教室や学校が休みかオンラインになっており生徒たちが集まる機会がなかった。 感染状況が一次的に改善していた2020年夏に、第1調査、第2調査ともデータを収集することができた。回収率は予定よりやや低く、結果公表にはやや遅れは出ているが、取り戻せる範囲と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、調査3(自治体との協働による中長期滞在者を対象とした調査)の調査協力依頼、調査票作成、翻訳、倫理審査申請、データ収集準備を行う。調査票はこれまで作成して来たものを参照する。協働する自治体の選定、調査協力依頼および調査実施にかかる調整を十分慎重におこない、2022年度に入り次第すみやかにデータ収集できるようにする。 データ収集は無作為抽出による代表サンプリングを予定しているが、無作為抽出が困難である(自治体の同意が得られない)可能性は考えられ、その際最大限の代表性が得られる代替サンプリング方法を検討する。
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Causes of Carryover |
フォーラム開催と報告書作成に関わる翻訳料を別財源で賄うことができ、また学術誌発表の投稿料が予定より少額だったため。現在査読中の投稿は投稿料が予定より高額となるためそれに使用予定である。
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Research Products
(5 results)