2021 Fiscal Year Annual Research Report
抗炎症薬によるがん発生および悪性化の抑制機構の解明と戦略的がん化学予防
Project/Area Number |
19K10585
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Research Institution | Suzuka University of Medical Science |
Principal Investigator |
川西 正祐 鈴鹿医療科学大学, なし, 客員教授 (10025637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎屋 友幸 鈴鹿医療科学大学, 薬学部, 准教授 (60803260)
大西 志保 鈴鹿医療科学大学, 薬学部, 助教 (80511914)
平本 恵一 鈴鹿医療科学大学, 薬学部, 助教 (90251793)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | グリチルグリチン / HMGB1 / AOM/DSS / DNA損傷 / 炎症 / 大腸がん予防 / がん転移予防 / TLR2/4 |
Outline of Annual Research Achievements |
腫瘍形成時やがん組織周辺の炎症部位では、炎症関連DNA損傷され、がんの発生や悪性化を引き起こすことが明らかになった。最近がん治療の標的分子として注目を集めているHMGB1(High-Mobility Group Box1)が、炎症シグナルとして働き、遺伝子変異や細胞死誘導の繰り返しに重要な役割を果たしている。抗炎症・抗がん作用などを持つ漢方薬甘草の主成分であるグリチルリチンはHMGB1と結合することで炎症を抑制することが知られている。 本研究では発がん物質azoxymethane(AOM)+大腸起炎症dextran sodium sulfate(DSS)誘導性大腸がんモデルを用い、グリチルグリチンが炎症を抑え、発がん性を抑制できるかについて検討した。その結果、グリチルグリチンはAOM+DSS誘導性大腸がんの発がん性を有意に抑制した。更に、グリチルグリチンによる炎症関連DNA損傷抑制機構を解明した。また、がんの発生のみならず悪性化、特にがん転移も制御する新しい戦略的がん化学予防法を開発することを目指した。 その結果、グリチルリチンはHMGB1を抑制することにより、標的細部のRAGEおよびTLR4の発現を抑え炎症性サイトカインの分泌やEMT誘導、VAGF発現を減少させることでメラノーマの肺へのがんの転移を阻害すると明らかにした。
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Research Products
(2 results)