2022 Fiscal Year Annual Research Report
メンデルランダム化による生活習慣と疾病リスクの関連:ゲノムコホート研究での検討
Project/Area Number |
19K10659
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
若井 建志 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (50270989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 恵太郎 愛知県がんセンター(研究所), がん予防研究分野, 分野長 (80393122)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 遺伝子多型 / ゲノムワイド関連解析 / 生活習慣 / がん / 媒介分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題における主な所見は以下の通りである。 1.生活習慣と関連する遺伝子多型(遺伝情報の個人差) 食習慣:日本多施設共同コーホート研究(J-MICC研究)参加者において、ゲノムをカバーする40ないし60万の一塩基多型(SNP)と野菜および果物の摂取量との関連を検討した(ゲノムワイド関連解析)。その結果、野菜あるいは果物の摂取量と関係するゲノム内の領域(遺伝子座)が数カ所示唆された。今後、分析の対象者数を倍以上に増やして、再現性を検討するとともに、見出された領域と生活習慣病や病態との関連を検討する。BMI:これまでにBMIと関連することが示されている遺伝子多型のJ-MICC研究における検討により、中高年期(35~69歳)のBMIと関連する遺伝子多型(FTO、BDNF、BORCS7の多型が関連)と20歳時点でのBMIと関係する遺伝子多型(FTO、TMEM18、HS5TSの多型が関連)とは異なる可能性が示された。 2.疾患と生活習慣と関連する遺伝子多型との関連 愛知県がんセンターでの症例対照研究(患者群と対照群の比較)において、媒介分析という解析手法により、ALDH2(2型アルデヒド脱水素酵素)遺伝子多型が膵臓がん発生に及ぼす影響、およびADH1B(1B型アルコール脱水素酵素)遺伝子多型が食道がん発生に及ぼす影響については、遺伝子多型が飲酒強度に影響を及ぼすことによって間接的にがんリスクに影響する経路(間接効果)とともに、遺伝子多型が直接、飲酒習慣を介さずにがんリスクに影響する経路(直接効果)も認められた。
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Research Products
(5 results)