2022 Fiscal Year Research-status Report
睡眠の変化は翌日のパフォーマンスにどんな影響を与えるか
Project/Area Number |
19K10743
|
Research Institution | Miyazaki Prefectual Nursing University |
Principal Investigator |
長坂 猛 宮崎県立看護大学, 看護学部, 准教授 (30332977)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 美智子 宮崎県立看護大学, 看護学部, 教授 (30249700)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 睡眠 / パフォーマンス / 集中度 |
Outline of Annual Research Achievements |
日々の睡眠時間や熟睡度が、翌日の集中度や眠気に与える影響に注目し、前日の睡眠と翌日の活動の相関を調べることが本研究の目的である。3年目に引き続いて、寝具の下に敷くセンサーによって睡眠中の体動と心拍測定、入眠時と起床時の体温測定、日中の活動量や覚醒度についてデータ採取した。ほぼ年間を通じた睡眠のデータを蓄積することはできた。日中のパフォーマンスについては、メガネ型のセンサーと専用アプリケーションを用いることで、評価を試みた。装着中の眼球運動、瞬き、頭部の動きなどのデータを連続的に得ることができる仕様になっており、それにもとづいた「覚醒度(眠気)」「没入度(集中)」「緊張度」「安定度」をアプリケーションから抽出した。前年までの取り組みによって、使用中に機材の電極と皮膚表面を密着させることができれば、覚醒度などの値を1分ごとのアスキー形式で出力できることは確認できており、実際に測定を開始したが、コロナ禍でマスクの着用をしていることもあって、皮膚面と装置の電極を密着させることが困難になってしまった。皮膚面と電極の間隙は、通電性のあるジェルシートをはさむことで改善されたが、今度は長時間の貼付によって皮膚面が荒れてしまう問題が発生してしまった。代替シートの選定や、測定時間を再検討して、日中の覚醒度については、ようやくデータを蓄積し始めたところである。睡眠中のデータ、体温、活動量(歩数)については、1年以上のデータ蓄積があるが、日中のパフォーマンスに関するデータ数が少ないこともあって、いまのところ明瞭な経時的なパターンや、睡眠データとの関連性は検出できていない。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
機材を調整して実験をスケジュールしたが、マスクの同時着用のため、電極と鼻部との接触を高めるために伝導性のジェルシートを挟み込んだため、皮膚面が荒れるという事象が発生してしまった。皮膚面のリカバーと同時に、代替品を模索していたため、計画が遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
メガネ型センサーと鼻部の接触面については、刺激の少ない長期貼付用シートを採用して、日中の3時間ほどを対象に約3カ月(90日)分のデータ収集を目標とする。これを2023年11月までに実施し、期間中に得られる睡眠データとの関連性を調べる。具体的には圧力センサーから得られる「熟眠度」「睡眠時間」「入眠までに要した時間」と、眼球運動から得られる「集中度」「眠気」「緊張度」の比較を調べる。また、熟眠度のレベルや入眠までの時間によるグルーピングが可能であるか否かを検証する。長期間のデータ収集であるため「週」などの生活サイクルで変動が見られるのか、それとは別のリズムが見られるのかを調べる予定にしている。測定期間に得られたパラメータごとに強度(集中度の高さなど)の頻度分布を算出し、曜日による特性などについても検証することを考えている。
|
Causes of Carryover |
測定機材の調達はできているが、その実験回数が確保できていないことが要因である。感染対策のためのマスク着用によって、機材と皮膚面に密着性が保ちにくく、通電性の高いジェルシートを用いたが、これによって皮膚面が荒れてしまい、代替品を模索していたことが影響している。今後、電極などの調達をしたうえで、協力者を募り、測定回数を増やすことを考えている。
|