2023 Fiscal Year Research-status Report
睡眠の変化は翌日のパフォーマンスにどんな影響を与えるか
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19K10743
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Research Institution | Miyazaki Prefectual Nursing University |
Principal Investigator |
長坂 猛 宮崎県立看護大学, 看護学部, 准教授 (30332977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 美智子 宮崎県立看護大学, 看護学部, 教授 (30249700)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 睡眠 / パフォーマンス / 集中度 |
Outline of Annual Research Achievements |
睡眠時間や熟睡度が、翌日の集中度や眠気に与える影響に注目し、前日の睡眠と翌日の活動の相関を調べることが本研究の目的である。前年度に続き、寝具の下に敷くセンサーによって睡眠中の体動、入眠時と起床時の体温を測定し、これらについては、ほぼ年間を通じた睡眠のデータを蓄積した。今年度は、これに加えて日中の心拍変動や活動量などについてもデータを採取した。心拍については、メモリー型の小型の心拍計を用いて記録し、活動量については歩数計を用いた。集中度や眠気については、メガネ型の装着センサーを用いた。このセンサーにより、眼球運動や瞬き、頭部の傾きを連続的に測定し、記録された時系列データから1分ごとの集中度、眠気、緊張度などを評価した(専用アプリケーションソフトによる)。メガネ型センサーを用いた測定では、皮膚との密着性を高めるために、導電シートなどが必要になるが、昨年の測定では蒸れによってシートが皮膚面に負荷を与えてしまうことが判明した。そのため、メガネ型センサーと心拍計を用いた測定の実施時間を数時間以内におさえ、眠気が現れやすい昼食後の13:00-17:00に設定した。当該年度の測定は、2023年7月から2024年01月までの期間に実施したが、勤務などの条件によって測定ができない日もあったため、その期間のうち約120日ぶんの睡眠と心拍、および眼球運動のデータを得ることができた。メガネ型センサーによる集中度の測定については、電極が非接触になってしまい、十分な記録ができない場合もあったため、前日の睡眠、心拍、集中度の3条件が揃っているのは限定されるが、数か月ぶんのデータ採取をすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年は感染対策のため、マスクの装着をすることが多く、電極と鼻部との接触を高めるために伝導性のジェルシートを挟み込んだ。しかし、皮膚面が荒れるという事象が発生してしまい、代替品を模索していたため、計画が遅れてしまった。低刺激のジェルシートを選び、測定を再開したが、睡眠データと対応させる継続した一定期間のデータが必要なため、実施期間が延び、解析が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
目標としていた90日以上のデータは収集できたので、期間中に得られた睡眠データとの関連性を調べる。具体的には圧力センサーから得られる「熟眠度」「睡眠時間」「入眠までに要した時間」と、眼球運動から得られる「集中度」「眠気」「緊張度」の比較をする。当該年度に得られたデータに分析に支障をきたすような欠測があれば、最終年度にも追加実験を行う予定である。
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Causes of Carryover |
必要に応じて追加実験を行うことも想定しており、電池や電極などの調達を見込んでいる。またデータ処理については、部分的に作業補助をしてもらう可能性があり、謝礼の支出も考えている。
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